バラ科 Rosaceae
バラ科は2,800種を含む。リンゴやイチゴなども属する。
バラ科の特徴は、花弁が5枚で1枚ずつ分かれていて雄しべが多い。また、イチゴなどの草本の場合、奇数羽状複葉を持つものが多い。 奇数羽状複葉とは、茎先に1枚と茎の両側に葉が並んで付く形態を指す。
サクラ亜科 Amygdaloideae
サクラ亜科 Amygdaloideae、シモツケ亜科 Spiraeoideae、ナシ亜科 Maloideaeは統合された。 2011年に国際藻類・菌類・植物命名規約が改訂されサクラ亜科 Amygdaloideaeを優先使用することになった。
サクラ連 Amygdaleae
アンズ属 Armeniaca
ウメはスモモ属(Prunus)でしたがアンズ属(Armeniaca)とされています。
ウワミズザクラ属 Padus
ウワミズザクラは、ウワミズザクラ属 Padusとスモモ属 Prunusとするか確定していません。YlistではPadusとしています。
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イヌザクラ
学名: Padus buergeriana (Miq.) T.T.Yu et T.C.Ku
Syn. Prunus buergeriana Miq.
分類: バラ科 ウワミズザクラ属
分布: 日本、済州島
花期: 初夏枝先に白い小さな花が房のように咲く(総状花序)。 花弁は5弁で、雄しべが長い。 葉は卵形で縁が鋸歯。
イヌザクラの花序枝には葉が付かない。ウワミズザクラの花序枝には葉が付く。
公園などに植生されている。
落葉高木。10mほど。
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ウワミズザクラ
学名: Padus grayana (Maxim.) C.K.Schneid.
Syn. Prunus grayana Maxim.
分類: バラ科 ウワミズザクラ属
原産: 中国北部
花期: 晩春から初夏枝先に白い小さな花が房のように咲く(総状花序)。 花弁は5弁で、雄しべが長い。 葉は卵形で縁が鋸歯。
公園などに植生されている。
落葉高木。10~15mほど。
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エゾノウワミズザクラ
学名: Padus avium Mill.
Syn. Prunus padus L.
分類: バラ科 ウワミズザクラ属
原産: ユーラシア北部
花期: 晩春から初夏昨年の新枝から枝分かれして花が20~30個咲く(総状花序)。花弁に小さな鋸歯が特長。葉は卵形で葉先が尖る。花序の下にも葉がつく。
日本では北海道と青森県で自生するが希少性が高く、絶滅の懸念もあるが研究が希薄なためレッドリストに含まれていない。
落葉高木。10~15mほど。
サクラ属 Cerasus
サクラ属はスモモ属(Prunus)とするかサクラ属(Cerasus)とするか確定していません。YlistではCerasusとしています。
* 現在園芸種として親しまれている交配種の元となった野生種11種
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エドヒガン *
学名: Cerasus spachiana Lavalee ex H.Otto var. spachiana f. ascendens (Makino) H.Ohba
分類: バラ科 サクラ属
原産: 日本
花期: 春白または淡いピンク色の花が咲く。葉は楕円形で5~10cmほど。
染井吉野よりもやや早く、春の彼岸の頃に咲く。
大島桜と共に染井吉野の交配元になった。
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オオシマザクラ *
学名: Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba
分類: バラ科 サクラ属
原産: 日本
花期: 春白い5弁の花が咲く。花は3~4cmほど。葉は卵形で5~10cmほど。
染井吉野など園芸種の元になった。
また桜餅に使われる桜葉漬は伊豆でほぼ100%生産されていて、この大島桜が使われている。
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オオヤマザクラ *
学名: Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba
分類: バラ科 サクラ属
原産: 韓国 日本 サハリン
花期: 春淡いピンクの花が咲く。花は3~4cmほど。葉は長卵形で8~15cmほど。ヤマザクラに比べて葉が大きいのでオオヤマザクラと呼ばれる。
夏には赤黒い小さな実がなる。
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カスミザクラ *
学名: Cerasus leveilleana (Koehne) H.Ohba
分類: バラ科 サクラ属
原産: 韓国 日本
花期: 春白い5弁の花が咲く。花は2~3cmほど。葉は卵形で、産毛がある。
大島桜の母種とされている。
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コブクザクラ
学名: Cerasus 'Kobuku-zakura' Ohwi
分類: バラ科 サクラ属
原産: ヒマラヤ
花期: 秋と春秋と春の2季咲く桜。雌しべが数本あるので一つの花から複数の実ができる。
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カンヒザクラ *
学名: Cerasus campanulata (Maxim.) A.Vassiliev
分類: バラ科 サクラ属
原産: 中国南部 ベトナム 台湾 日本
花期: 早春早春に他の桜より一足早く咲く。花は1~2cmほどで小さい。やや下向きに釣鐘状に咲く。 花色は濃いピンクや白色など。
ヒカンザクラ(緋寒桜)とも呼ばれる。河津桜は、本種と大島桜の自然交配種。
沖縄では多く植栽されており、早く咲くのでニュースなどにもしばしば扱われる。
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ヒマラヤザクラ
学名: Cerasus cerasoides (D.Don) Sokolov
分類: バラ科 サクラ属
原産: ヒマラヤ
花期: 冬花は4cmほどで大ぶり。雄しべが長い。
さくらは実は秋咲きだった!? (東京農業大学)
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ヤマザクラ *
学名: Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba
分類: バラ科 サクラ属
原産: 韓国 台湾 日本
花期: 春白色または淡いピンクの花が咲く。花は2~3cmほど。葉は長卵形で6~9cmほど。花が咲くと同時に葉も広がる。日本に自生していた桜で、染井吉野以前はこちらが多かったと考えられる。
サクラ属 ニワザクラ亜属 Microcerasus
ニワウメ亜属 Lithocerasusでしたが、YListではニワザクラ亜属 Microcerasusとされています。
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ニワウメ
学名: Microcerasus japonica (Thunb.) M.Roem.
Syn. Prunus japonica
分類: バラ科 サクラ属 ニワザクラ亜属
原産: 中国 朝鮮半島
花期: 春サクラの咲く時期に、枝の周囲にびっしりと花が咲く。雌しべは長くウメによく似ている。樹形は株立ちする。初夏にサクランボのような赤い実をつける。
落葉低木。
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ニワザクラ
学名: Microcerasus glandulosa (Thunb.) M.Roem.
Syn. Cerasus glandulosa
分類: バラ科 サクラ属 ニワザクラ亜属
原産: 中国
花期: 春細い枝を伸ばし枝に多くの八重咲きの桜が咲く。
落葉低木。樹高は2mほど。
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ユスラウメ
学名: Microcerasus tomentosa (Thunb.) G.V.Eremin et Yushev
Syn. Cerasus tomentosa
分類: バラ科 サクラ属 ニワザクラ亜属
原産: 中国
花期: 春白い5弁のサクラに似た花が咲く。木肌はウメに似ている。夏に赤いサクランボのような実が成る。
落葉低木。樹高は2mほど。
スモモ属 Prunus
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スモモ
学名: Prunus salicina Lindl.
Syn. Prunus ussuriensis Kovalev et Kostina
分類: バラ科 スモモ属
原産: 中国
花期: 春白い5弁花が咲く。雄しべが長く葯が黄色い。花柄が長い。 花の姿はウメに似ているが、花柄が長いところはサクラに似ている。 花が咲く時期には葉が無いか、まだ小さい。 葉は卵形で縁に浅い鋸歯がある。
落葉小高木。大きくなると10mになる。
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プルーン
学名: Prunus domestica L.
分類: バラ科 スモモ属
原産: ヨーロッパ
花期: 春白い5弁花が咲く。雄しべが長く葯が黄色い。花柄が長い。 花の姿はウメに似ているが、花柄が長いところはサクラに似ている。 花が咲く時期には葉が無いか、まだ小さい。 葉は卵形で縁に浅い鋸歯がある。
落葉小高木。大きくなると10mになる。
モモ属 Amygdalus
バクチノキ属 Laurocerasus
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セイヨウバクチノキ
学名: Laurocerasus officinalis M.Roem.
Syn. Prunus laurocerasus 'Otto Luyken'
分類: バラ科 バクチノキ属
原産: 黒海周辺 バルカン半島のアルバニア~コーカサス山脈
花期: 夏枝先または枝と葉の付け根(葉腋)から15~20cmほどの花茎を伸ばして、小さな7mmほどの花が多数咲く。 花弁は5枚で、雄しべが突き出ている。花の基部が黄色または黄緑色。 葉は長めの卵形で葉脈の色が薄くなることもある。葉の表面は皮質。 樹高は5mほどになるが生垣などでは剪定されて低く刈り揃えられる。
樹皮は灰褐色。
日本に自生するバクチノキは、葉が鋸歯で、樹皮の一部が剥がれて赤くなる。
常緑低木。
シモツケ連 Spiraeeae
シモツケ属 Spiraea
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イブキシモツケ
学名: Spiraea dasyantha Bunge
分類: バラ科 シモツケ属
原産: 日本 関西以西
花期: 春から初夏小さな5弁の花が丸く集まって枝先に咲く。葉は卵形で縁が鋸歯。互い違いにつく(互生)。
花色は白色やピンク。
自然には山の岩場などに自生する。
落葉低木。樹高は1mほど。
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コデマリ
学名: Spiraea cantoniensis Lour.
分類: バラ科 シモツケ属
原産: 中国
花期: 春小さな白い花が丸く集まって、枝に沿ってたくさん咲く。
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シジミバナ
学名: Spiraea prunifolia Siebold et Zucc.
分類: バラ科 シモツケ属
原産: 中国
花期: 春10mmほどの小さな白い花が枝にそって咲く。花柄は15~25mmほどで長く、一か所から数個の花柄が伸びる。花は八重咲き。
葉は互生し楕円形。長さ20~25mm、幅15mmほど。
落葉低木。樹高は1~2mで株立ちし、枝垂れる。
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シモツケ
学名: Spiraea japonica L.f.
Syn. Spiraea bumalda
分類: バラ科 シモツケ属
原産: 日本 朝鮮半島 中国
花期: 初夏から秋小さな花が花茎の先に集まって咲く。色は白やピンク。雄しべが長い。落葉低木。樹高は1~2m。
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トサシモツケ
学名: Spiraea nipponica Maxim. var. tosaensis (Yatabe) Makino
分類: バラ科 シモツケ属
原産: 日本固有種
花期: 初夏小さな花が花茎の先に集まって咲く(散房花序)。葉は先端がやや丸く幅が狭い。
コデマリにとても似ているが、コデマリの葉の縁が鋸葉なのに対して全縁。
本種はイワシモツケの変種。イワシモツケは丸葉。
落葉低木。樹高は1~2m。
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ホザキシモツケ
学名: Spiraea salicifolia L.
分類: バラ科 シモツケ属
原産: ヨーロッパ~日本、シベリアなどユーラシア大陸北部
花期: 夏枝先に円錐状に小さな花が集まって咲く(円錐花序)。 花は5~6mmほどで花弁は5枚で、雄しべが長く穂状にみえる。花序は8~15cmほど。 葉は卵型で互い違いにつく(互生)。
落葉低木。樹高は1~2mほど。
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ミツバイワガサ
学名: Spiraea blumei G.Don var. obtusa (Nakai) Sugim.
分類: バラ科 シモツケ属
原産: 中国 朝鮮半島 日本
花期: 初夏小さな白い花が丸く集まってたくさん咲く。イワガサの葉は3~5裂する。本種は3裂するものを指す。コデマリのように株立ちせずこんもりと茂る。
標準和名はミツバイワガサですが、園芸ではミツデイワガサと呼ばれる。
落葉低木。樹高は0.6~1.5m。
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ヤエコデマリ
学名: Spiraea cantoniensis var. plena
分類: バラ科 シモツケ属
原産: 中国
花期: 春コデマリの八重咲き種。
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ユキヤナギ
学名: Spiraea thunbergii Siebold ex Blume
分類: バラ科 シモツケ属
原産: 日本
花期: 春細い枝に小さな白い4弁の花が密生する。枝が細いので枝垂れるような容姿になる。枝の長さは1.5~2m。
落葉低木
ヤマブキ連 Kerrieae
シロヤマブキ属 Rhodotypos
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シロヤマブキ
学名: Rhodotypos scandens (Thunb.) Makino
分類: バラ科 シロヤマブキ属
原産: 日本
花期: 春白い4弁の花。葉は向き合って付く(対生)。
ヤマブキ (Kerria japonica)は別属。
リンゴ連 Maleae
アロニア属 Aronia
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アロニア
学名: Aronia melanocarpa (Michx.) Elliott
分類: バラ科 アロニア属
原産: 北米東部
花期: 春枝先に5弁の小さな花が集まって咲く(散房花序)。花色は白色で、葯が赤い。 葉は卵形で縁は細かい鋸歯。
5~10mmほどの黒い実ができる。ブラックチョークベリーと呼ばれる。皮が固いため生食よりもジュースやジャムとして利用される。
寒冷地でないと育たないため、日本では主に北海道で植生される。
カマツカに近縁でセイヨウカマツカとも呼ばれる。
落葉低木。樹高は2~3mほど。
カナメモチ属 Photinia
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カナメモチ
学名: Photinia glabra(Thunb.) Franch. & Sav.
分類: バラ科 カナメモチ属
原産: 東アジア 東南アジア
花期: 初夏5弁の小さな白い花が総状花序で咲く。花弁の先は丸い。雄しべが長い。 葉は革質で面長の卵形で10cmほど。
生け垣などに利用される。
常緑小高木。樹高は3~5mほど。
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レッドロビン
学名: Photinia x fraseri
分類: バラ科 カナメモチ属
原産: 東アジア 東南アジア
花期: 初夏5弁の小さな白い花が総状花序で咲く。花弁の先は丸い。雄しべが長い。 葉は革質で面長の卵形で10cmほど。緑色と新芽の赤色の葉をだす。
生け垣などに利用される。
本種は、本州にも自生するカナメモチ P. glabraと南西諸島に自生するオオカナメモチ P. serrulataとの交雑種。 交雑のため花は咲くが実はできない。
常緑小高木。
カマツカ属 Pourthiaea
従来は広義のカナメモチ属 Photiniaでしたが分離された。
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カマツカ
学名: Pourthiaea villosa (Thunb.)Decne. var. laevis (Thunb.) Stapf.
Syn. Photinia villosa
分類: バラ科 カマツカ属
原産: 中国 朝鮮半島 日本
花期: 春から初夏短枝に花が集まって咲く(複散房花序)。 5弁の白い花で、雄しべが長く多い。 葉は長枝では互い違いにつき(互生)、短枝では枝の周りに数個つく(輪生)。 葉身は卵形。 秋には10mmほどの俵状や楕円形の赤い実がなる。
庭に植栽されていた。
本種は材が固く、鎌の柄に使われた事からカマツカ(鎌柄)と呼ばれている。
落葉小高木。樹高は5~7mほど。
カリン属 Pseudocydonia
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カリン
学名: Pseudocydonia sinensis (Thouin) Koehne
Syn. Chaenomeles sinensis
分類: バラ科 カリン属
原産: 中国
花期: 春5弁のボケに似た花が咲く。花色はピンクまたは白色。秋に黄色い大きな実が熟す。
実には咳止めや喉の炎症に効く成分が含まれていて、のど飴や果実酒にも利用される。
落葉高木。
コトネアスター属 Cotoneaster
シャリントウ属とも呼ばれる。
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コトネアスター
学名: Cotoneaster 'Hybridus Pendulus'
分類: バラ科 コトネアスター属
原産:
花期: 初夏枝から短く分枝した葉の先に数個の花が集まって咲く。花色は白色。 葉は10~20mmほどで、中央に強い折り目がある。 木は上には伸びず這うように広がる。
秋に赤い実がなる。
公園などに植栽されている。
落葉低木。
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ベニシタン
学名: Cotoneaster horizontalis Decne.
分類: バラ科 コトネアスター属
原産: 中国西部
花期: 初夏5弁の白色またはピンクの花が細い枝に沿って多数咲く。しかし全開はせず花弁の外側が赤いものが多い。 葉はやや幅広の卵形で互い違いにつく(互生)。葉の表面は皮質で光沢がある。
落葉低木。樹高は1mほどになるが横に広がるように茂る。
ザイフリボク属 Amelanchier
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アメリカザイフリボク
学名: Amelanchier canadensis
分類: バラ科 ザイフリボク属
原産: 北アメリカ東部 カナダと米国にまたがる地域
花期: 春白い5弁の花が咲く。サクラに似ている。雄しべがサクラに比べ大きく、短い。
6月ころに赤い実がなることからジューンベリーと呼ばれる。
サンザシ属 Crataegus
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サンザシ
学名: Crataegus cuneata Siebold & Zucc.
分類: バラ科 サンザシ属
原産: 中国
花期: 初夏白い5弁の花が集まって咲く。花は2~3cmで、花柄が長く、雄しべの花粉が落ちると花柱が白い棘のようにみえる。 葉は掌状。 秋に赤色またはオレンジ色の実がなる。
落葉低木。
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セイヨウサンザシ
学名: Crataegus laevigata (Poir.) DC.
分類: バラ科 サンザシ属
原産: ヨーロッパ
花期: 初夏枝先に5弁の花が咲く。花色は白色や濃いピンク。 葉は3つ指に見える深い切れ込みがあり、大きさは2~6cmほど。
秋に赤い実がなる。
落葉高木。樹高は5~8mほど。
写真は八重咲き種。
シャリンバイ属 Rhaphiolepis
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シャリンバイ
学名: Rhaphiolepis indica (L.) Lindl. ex Ker var. umbellata (Thunb.) H.Ohashi
Syn. Rhaphiolepis umbellata (Thunb.) Makino
分類: バラ科 シャリンバイ属
原産: 日本 台湾 韓国などの海岸
花期: 初夏白い5弁の花が総状花序で咲く。花は1~2cm葉は革質。 樹高は1.5mほどで横にも同じほど広がる。 秋に1cmほどの黒い実が成る。
常緑低木。庭木や公園樹として利用される。
トキワサンザシ属 Pyracantha
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ピラカンサ
学名: Pyracantha coccinea M.Roem.
分類: バラ科 トキワサンザシ属
原産: ヨーロッパ南部から西アジア
花期: 初夏白い小さな花が総状花序で咲く。11月頃に小さな赤い実がなる。常緑低木。
和名はトキワサンザシ。よく似た花にオレンジ色の実がなるタチバナモドキや、カザンデマリもある。
ナシ属 Pyrus
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セイヨウナシ
学名: Pyrus communis L.
分類: バラ科 ナシ属
原産: ヨーロッパ
花期: 春サクラに似た5弁の花が咲く。洋ナシとも呼ばれる。葉は卵形でやや皮質。
写真の品種はゼネラル・レクラーク。他にラ・フランスやバートレット、ル・レクチェ、オーロラなどがある。
西洋ナシは、収穫直後は実が固くて食べられない。常温で1~2週間ほど追熟させると、香りがでてきて柔らかくなり食べられる。
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ナシ
学名: Pyrus pyrifolia (Burm.f.) Nakai
分類: バラ科 ナシ属
原産: 中国
花期: 春白い花弁は少し厚みを感じさせる。遺伝的に異なる個体間で受粉しないと結実しない(自家不和合性)を持つ。
和梨には赤色系と、青色(緑色)系があって、品種では豊水や、幸水などは赤色系。二十世紀は青色系。
落葉高木。
ナナカマド属 Sorbus
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ナナカマド
学名: Sorbus commixta Hedl.
分類: バラ科 ナナカマド属
原産: 日本 ロシアのサハリン 韓国のUlleungdo島(日本海)
花期: 初夏白い5弁の小さな花が咲く。雄しべが長い。葉は卵形で縁が鋸歯。秋に小さな赤い実が成る。
常緑高木
ボケ属 Chaenomeles
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クサボケ
学名: Chaenomeles japonica (Thunb.) Lindl. ex Spach
分類: バラ科 ボケ属
原産: 日本
花期: 春枝に数輪の花が咲く。花色は朱色。ボケよりもやや小ぶり。葉は葉先が丸く小さな鋸葉。
地面から草の様に枝を伸ばし枝分かれが少ない。枝にトゲを持つ。地下茎で増える。
落葉低木。樹高は30~100cmほど。
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ボケ
学名: Chaenomeles speciosa (Sweet) Nakai
分類: バラ科 ボケ属
原産: 中国
花期: 春5弁の花がややお椀状に咲く。花色は赤色、ピンク、白色。 葉は卵形で、花期には小さい。
落葉低木。樹高は1~2mほど。
ビワ属 Eriobotrya
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ビワ
学名: Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.
分類: バラ科 ビワ属
原産: 中国
花期: 冬5弁の白い花が咲く。花弁の外側は茶色い毛で覆われている。葉は互生し、20cmほどの長い楕円形で、葉脈に沿ってクッキリと筋がある。 夏にオレンジ色の実ができる。実の表面には産毛がある。 実は薄くて、中におおぶりの種が数個入っている。
常緑高木。
マルメロ属 Cydonia
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マルメロ
学名: Cydonia oblonga Mill.
分類: バラ科 マルメロ属
原産: トルコ イラン
花期: 冬花は5~6cmほどで5弁。花弁は白く縁がややピンク。 葉は卵形で互い違いにつく(互生)。 秋には洋ナシに似た実ができる。熟すとやや黄色くなる。果実の表面には短い毛が生えている。 果実は食用になるが、酸味が強く繊維質があるため生食よりも果実酒やジャムなどに加工される。 また香りがよいので芳香剤のようにも利用される。
落葉高木。樹高は2~5mほど。
ギレニア属 Gillenia
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ギレニア・トリフォリアータ
学名: Gillenia trifoliata (L.) Moench
分類: バラ科 ギレニア属
原産: 北アメリカ東部
花期: 春から夏5弁の花が咲く。花は茎先に枝分かれして数個咲く。 花色は白色や淡いピンク。 葉は3枚一組(3出複葉)。小葉は、卵形で葉脈がハッキリしている。 茎は赤くて細い。 草丈は70~100cmほど。
多年草。
テマリシモツケ属 Physocarpus
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アメリカテマリシモツケ
学名: Physocarpus opulifolius (L.) Maxim.
分類: バラ科 テマリシモツケ属
原産: 北アメリカ東部
花期: 初夏白い小さな花が集まって丸く咲く。葉は黒に近い赤紫色や、黄色、黄緑色などがある。
本種は、ディアボロ Diaboloと呼ばれている。
落葉低木。
ホザキナナカマド属 Sorbaria
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ニワナナカマド
学名: Sorbaria kirilowii (Regel & Tiling) Maxim.
分類: バラ科 ホザキナナカマド属
原産: 中国北部 朝鮮半島 日本 シベリア
花期: 夏白い小さな花が枝先に多数咲く(円錐花序)。葉は奇数羽状複葉で、小葉は卵形で縁が鋸歯。
ナナカマドに似ているが、ナナカマドが4月頃咲くのに対して、ニワナナカマドは6月頃。
庭に植えられていた。
落葉低木。3~4mほど。
ヤナギザクラ属 Exochorda
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リキュウバイ
学名: Exochorda racemosa (Lindl.) Rehder
分類: バラ科 ヤナギザクラ属
原産: 中国
花期: 春落葉低木。2~3m。白い丸みのある5弁の花が咲く。花の基部にへこみがあり、その周囲に雄しべが並ぶ。 葉には葉脈にそって淡緑色の筋がある。
茶道で茶花として利用されることから利休梅と呼ばれる。
チョウノスケソウ亜科 Dryadoideae
4属があり、Cercocarpus、Chamaebatia、Dryas、Purshia
チョウノスケソウ属 Dryas
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チョウノスケソウ
学名: Dryas octopetala var. asiatica
分類: バラ科 チョウノスケソウ属
原産: 北半球
花期: 初夏茎を伸ばして先に8弁の花が咲く。 葉は小判形で表面にはつやがあって葉脈がハッキリしており丸い鋸歯。 葉柄が長い。 細い茎が地面を這うようにひろがる。
雌しべが多く、実には長い白い毛がつくので高山ではチングルマと勘違いされやすい。
自然には高山に生息しているが、山野草として販売されて庭などに植生されていることもある。
常緑小低木。10~20cmほど。
バラ亜科 Rosoideae
キイチゴ属 Rubus
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エビガライチゴ
学名: Rubus phoenicolasius Maxim.
分類: バラ科 キイチゴ属
原産: 中国 朝鮮半島 日本
花期: 夏枝先に数個の花が集まって咲く(円錐花序)。 花弁が5枚で淡いピンクで直立または雄しべに重なる。 萼には赤黒い毛が多数ある。 葉は3出複葉。 枝にも赤黒い毛やトゲが多数生えている。
ラズベリーの仲間。
落葉低木。つる状の枝を伸ばして広がる。
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カジイチゴ
学名: Rubus trifidus Thunb.
分類: バラ科 キイチゴ属
原産: 日本
花期: 夏5弁の白い花が咲く。葉には大きな切れ込みが3つほどある。黄色い粒状の実がなり食用になる。
落葉低木。
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クサイチゴ
学名: Rubus hirsutus Thunb.
分類: バラ科 キイチゴ属
原産: 東アジア
花期: 春5弁の白い花が咲く。葉は卵形。枝は木質。
夏に赤い実がなる。ラズベリーの一つ。
落葉小低木。
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ナワシロイチゴ
学名: Rubus parvifolius L.
分類: バラ科 キイチゴ属
原産: 東アジア オーストラリア東部
花期: 初夏5弁のピンクの花が咲くが花弁は直立し開かない。葉は3出複葉。茎は赤く木質化していて、新しい枝を草の上を越えるように伸ばす。
6月頃に小さな赤い粒が集まった実が熟す。食用になるがあまり甘くない。
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ブラックベリー
学名: Rubus fruticosus
分類: バラ科 キイチゴ属
原産: アメリカ合衆国
花期: 初夏5弁の白または淡いピンクの花が咲く。葉は卵形で縁が鋸歯、筋がある。 木質のつるを伸ばして広がる。
夏につぶ状の黒い実が集まってなる。 食用になるが酸味があるのでジャムにされることもある。
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モミジイチゴ
学名: Rubus palmatus Thunb. var. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Koidz.
分類: バラ科 キイチゴ属
原産: 日本
花期: 夏5弁の白い花が咲く。葉には大きな切れ込みが3つほどある。黄色い粒状の実がなり食用になる。
落葉低木。1~2mほどで枝が細く枝垂れる。
よく似た花にニガイチゴがある。ニガイチゴの花は上向きに咲く。
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ヨーロッパキイチゴ
学名: Rubus idaeus L.
分類: バラ科 キイチゴ属
原産: ヨーロッパ
花期: 夏枝先に数個の花が咲く(円錐花序)。 萼は大きいが花弁はとても小さく直立しており、雄しべが目立つ。 葉は3出複葉。
ラズベリーと呼ばれるキイチゴの一つ。
落葉低木。
シモツケソウ属 Filipendula
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キョウガノコ
学名: Filipendula purpurea Maxim.
分類: バラ科 シモツケソウ属
原産: 日本固有
花期: 夏小さな5弁の花が茎先に枝分かれしてたくさん咲く(集散花序)。 葉は掌状葉で、3~5裂する。 草丈は40~60cmほど。
本種はコシジシモツケ F. auriculataの園芸種。またはコシジシモツケとシモツケソウF. multijugaの交雑種と考えられている。
シモツケソウは、頂小葉は掌状で、更に側小葉が2枚つくのが特長。
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シモツケソウ
学名: Filipendula multijuga Maxim.
分類: バラ科 シモツケソウ属
原産: 日本固有
花期: 夏小さな5弁の花が茎先に枝分かれしてたくさん咲く(集散花序)。 葉は掌状葉で、3~5裂する。 草丈は40~60cmほど。
茎の途中には側小葉が向かい合ってつき(対生)、その形は卵形で一部大きく凹むものもある。
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ロクベンシモツケ
学名: Filipendula vulgaris Plena
分類: バラ科 シモツケソウ属
原産: ヨーロッパ 中央アジア 北アジア
花期: 夏細い茎を長く伸ばしてよく枝分かれして先に花が咲く(集散花序)。 花は6弁または八重咲きで、花色は白色またはピンク。 葉は根出葉のみで、深い切れ込みがあり縁は鋸歯。 ロゼット状に広がる。草丈は80~100cmほど。
八重咲きシモツケの名前で流通している。
多年草。
バラ属 Rosa
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オオタカネバラ
学名: Rosa acicularis Lindl.
Syn. Rosa suavis auct. non Willd.
分類: バラ科 バラ属
原産: 中国東北部 朝鮮北部 シベリア サハリン カムチャッカ
花期: 初夏枝先に5弁の花が1つまたは2つ咲く。花色はピンクで4~5cmほど。 花柄には棘が多生する。 奇数羽状複葉で小葉は5~7枚ほど。 幹には棘が多生する。
庭に植栽されていた。
落葉低木。1~1.5mほどでよく枝分かれする。
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ナニワイバラ
学名: Rosa laevigata Michx.
分類: バラ科 バラ属
原産: 中国
花期: 初夏大ぶりのバラ。茎には棘があり、小さな突起も密生している。大きく開いて咲く。
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ノイバラ
学名: Rosa multiflora Thunb.
Rosa polyantha Siebold et Zucc.
分類: バラ科 バラ属
原産: 日本 中国 朝鮮半島
花期: 初夏白い小さな2~3cmほどの花。花弁は5枚。佳い香りがする。雄しべが長い。 樹高は5mほど。 葉には葉脈に沿ってハッキリとした筋がある。
日本に自生するバラで、道端にも生えることがある。
落葉低木。
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ハマナス
学名: Rosa rugosa Thunb.
分類: バラ科 バラ属
原産: 北東アジア
花期: 夏6~9cmほどの花が咲く。葉は卵形で、奇数羽状複葉で、小葉は7~9枚。 太い枝には棘が密生している。 花後に赤い実ができる。
花色は濃いピンクまたは白色。
日本に自生するバラで、自然には海岸の砂地に自生しているがその数は減少している。 一般に庭や公園などに植栽されているものは園芸種。
落葉低木。樹高は1~1.3mほど。
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バラ
学名: Rosa
分類: バラ科 バラ属
原産: アジア
花期: 春と秋。気温が25度前後で咲く。花弁が何枚も重なって咲く種類が多い。園芸種が多い。
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モッコウバラ
学名: Rosa banksiae R.Br.
分類: バラ科 バラ属
原産: 中国
花期: 初夏2~3cmの八重咲きで淡黄色の花が咲く。本種には棘がないので生け垣などに利用される。 園芸種として白色や一重咲きなどもある。
コルリ連 Colurieae
ダイコンソウ属 Geum
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コキンバイ
学名: Geum ternatum (Stephan) Smedmark
Syn. Waldsteinia ternata (Stephan) Fritsch
分類: バラ科 ダイコンソウ属
原産: 北東アジア
花期: 初夏茎先に数個の黄色花が咲く。花弁は5枚。苞葉もある。 葉は根出葉で長い葉柄の先に3出複葉で、小葉には深い切れ込みがあり縁は鋸歯。 開き始めたばかりの葉は縁がやや上向き。 草丈は10~20cmほど。
庭に植えられていた。
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ダイコンソウ
学名: Geum japonicum L.
分類: バラ科 ダイコンソウ属
原産: 北アメリカ 東アジア 日本
花期: 夏黄色い花が咲く。花は茎頂や茎と葉の付け根(葉腋)から茎を伸ばしてその先に咲く。 茎の途中の葉は切れ込みのある鋸歯。 根出葉は大根に似ていて、奇数羽状複葉。 草丈は40~60cmほど。
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ベニバナダイコンソウ
学名: Geum coccineum Sibth. & Sm. (1809)
分類: バラ科 ダイコンソウ属
原産: 東南ヨーロッパ バルカン半島からトルコ
花期: 夏赤い花が咲く。花は茎頂や茎と葉の付け根(葉腋)から茎を伸ばしてその先に咲く。 茎の途中の葉は切れ込みのある鋸歯。 根出葉は大根に似ていて、奇数羽状複葉。 草丈は40~60cmほど。
チングルマ属 Sieversia
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チングルマ
学名: Sieversia pentapetala (L.) Greene
Syn. Geum pentapetalum (L.)Makino.
分類: バラ科 チングルマ属
原産: 日本 ロシア北東 アラスカ
花期: 夏細い茎を伸ばして茎頂に花が咲く。花弁は5枚で、基部が黄色い。雄しべと雌しべが多い。 葉は奇数羽状複葉で、鋸歯。 地上を這うように広がる。 秋には綿毛が付いた実ができる。
高山植物ですが、庭などに植栽されていることもある。
落葉小低木。
キジムシロ連 Potentilleae
オランダイチゴ属 Fragaria
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オランダイチゴ
学名: Fragaria x ananassa Duchesne ex Rozier
分類: バラ科 オランダイチゴ属
原産: アメリカ大陸
花期: 春5弁の白い花が咲く。葉は卵形で縁が鋸歯、筋がある。
オランダで、北アメリカ産のバージニアイチゴ F. virginianaと、チリ産のチリイチゴ F. chiloensisの交雑で作られた。 この品種が栽培品種の元。
キジムシロ属 Potentilla
ヘビイチゴ属 Duchesneaから変更された。
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オヘビイチゴ
学名: Potentilla anemonifolia Lehm.
分類: バラ科 キジムシロ属
原産: 東アジア
花期: 初夏花茎の先に黄色い5弁の花が数個咲く。 根出葉は長い葉柄があって、5~7掌状複葉。茎葉は3小葉。 小葉は長楕円形から卵形で縁が鋸歯。 草丈は20~40cmほど。
花はヘビイチゴに似ているがやや大きい。
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キジムシロ
学名: Potentilla fragarioides L. var. major Maxim.
分類: バラ科 キジムシロ属
原産: 東北アジア
花期: 春から夏花茎の先に黄色い5弁の花が数個咲く。 花弁の基部がややオレンジ色。 萼片は鋭角で、副萼片はやや小さい楕円状。 花茎に着く葉は3出複葉で、花柄の下には小さな托葉もある。 根出葉は奇数羽状複葉で小葉は5~9枚。 草丈は10~30cmほど。
果実は粒状で灰色の種が集まっている。
花はミツバツチグリとそっくりで、ミツバツチグリの葉は3出複葉。
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ヒメヘビイチゴ
学名: Potentilla centigrana Maxim.
分類: バラ科 キジムシロ属
原産: 中国 ロシア極東 日本
花期: 春から夏黄色い5弁の花が咲く。花は茎頂に咲くが、葉腋から花茎を伸ばすように見えるのは、葉腋から別の茎が伸びているため。 葉は3出複葉で、小葉は卵型で縁は鋸葉。葉柄の基部に托葉がある。
実は痩果(種)が赤くならず緑色のまま。
水田のあぜに自生していた。
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ヘビイチゴ
学名: Potentilla hebiichigo Yonek. et H.Ohashi
Syn. Duchesnea chrysantha (Zoll. et Moritzi) Miq.
分類: バラ科 キジムシロ属
原産: 東アジア 南アジア 日本
花期: 春から夏黄色い5弁の花が咲く。先が尖った萼片も5枚。副萼片の先には切れ込みが2つあるが花が咲いていると上からは見えない。 葉は3出複葉で、小葉はやや丸く縁に鋸歯。
実は痩果(種)が赤く、実の表面は白っぽい。
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ポテンティラ・アルバ
学名: Potentilla alba L.
分類: バラ科 キジムシロ属
原産: 中央ヨーロッパ
花期: 春這うように花茎を伸ばし数個の白い花が咲く。花弁は5枚。 花茎には苞葉もある。 根出葉には長い葉柄があり先に5出複葉。小葉の先は鋸歯になっている。 草丈は10~20cmほど。
海外ではホワイト・シンクフォイルと呼ばれる。
庭に植生されていた。
多年草。
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ポテンティラ・ネパレンシス
学名: Potentilla nepalensis Hooker..
分類: バラ科 キジムシロ属
原産: 東アジア ヒマラヤ
花期: 夏茎先に数個の花が咲く。花弁は5枚で先が凹んでいる。葉は3出複葉で縁は鋸歯。 草丈は30~60cmほど。
原種は赤色だが、園芸品にはピンクなどもある。
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ヤブヘビイチゴ
学名: Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf
Syn. Duchesnea indica
分類: バラ科 キジムシロ属
原産: 東アジア 南アジア
花期: 春黄色い5弁の花が咲く。萼よりも副萼片が大きい。副萼片には切れ込みが2つあり、鋸歯が3つにみえる。 葉は3出複葉で、小葉はやや先が尖る形。
実は全体が赤く痩果(種)にはつやがある。
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ミツバツチグリ
学名: Potentilla freyniana Bornm.
分類: バラ科 キジムシロ属
原産: 東北アジア
花期: 春から夏花茎の先に黄色い5弁の花が数個咲く。 花弁の基部がややオレンジ色。 萼片は鋭角で、副萼片はやや小さい。 花茎に着く葉は3出複葉で、花柄の下には小さな托葉もある。 根出葉は3出複葉。 草丈は10~30cmほど。
花後に走出枝(ランナー)を伸ばして増えていく。
果実は粒状で灰色の種が集まっている。
花はキジムシロにそっくりで、キジムシロの根出葉は3~9枚。
キンロバイ属 Dasiphora
以前はキジムシロ属でしたが、木本については分離された。
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キンロバイ
学名: Dasiphora fruticosa (L.) Rydb.
Syn. Potentilla fruticosa L.
Syn. Pentaphylloides fruticosa (L.) O.Sw.
分類: バラ科 キンロバイ属
原産: 北半球の高山
花期: 夏5弁の黄色い花が咲く。葉は奇数羽状複葉で、小葉は3~7枚で、楕円形で、互生する。
自然には高山に自生するので涼しい気候が好み。盆栽や庭木として販売されている。
落葉低木。30~100cmほど。
ハゴロモグサ属 Alchemilla
同属の種を総称してレディースマントルとも呼ばれる。
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アルケミラ・モリス
学名: Alchemilla mollis (Buser) Rothm.
分類: バラ科 ハゴロモグサ属
原産: 南ヨーロッパ
花期: 夏茎先がよく枝分かれして小さな黄色花が咲く(集散花序)。葉はハート状の掌状葉で縁が鋸歯。 葉の表面に産毛があって水をはじく。 草丈は60~70cmほど。
本種はハーブとしての利用効果しかないが、同属には婦人病などに効果のある種もある。
多年草ですが、暑さに弱く寒冷地以外では越年が難しい。
ワレモコウ連 Sanguisorbeae
キンミズヒキ属 Agrimonia
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キンミズヒキ
学名: Agrimonia pilosa var. japonica
分類: バラ科 キンミズヒキ属
原産: 日本 中国 朝鮮半島 シベリア 東ヨーロッパ
花期: 夏5弁の1cmほどの小さな花が咲く。花は枝分かれして茎先に下から順に咲く(総状花序)。 葉は奇数羽状複葉で、3~9枚。 小葉は卵形で縁が鋸歯。葉の大きさは5~7cmほどのものもあれば、1~2cmほどの小さなものもある。 草丈は60~120cmほど。
よく似た花にヒメキンミズヒキがあるが雄しべが5~6本で少なく、小葉の数が3~5枚で、先端が鈍い。
ワレモコウ属 Sanguisorba
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カライトソウ
学名: Sanguisorba hakusanensis Makino
分類: バラ科 ワレモコウ属
原産: 日本固有種
花期: 夏茎先に10cmほどの穂状花序の花が咲く。 ピンクの細い糸のような花弁が多数つく。 このピンクの糸は雄しべで、花弁は無く、萼片4枚があるのみ。 花は上から下に順に咲く。 根出葉は、奇数羽状複葉で、小葉は長楕円形で縁が粗い鋸歯。 茎につく葉は小さい。 草丈は40~90cmほど。
自然には中部地方や北陸の高い山に分布している。
葉など -
サラダバーネット
学名: Sanguisorba minor Scop.
Syn. Poterium sanguisorba
分類: バラ科 ワレモコウ属
原産: 地中海周辺
花期: 夏花茎を15~20cmほど伸ばしてその先や、茎と葉の付け根(葉腋)に花が咲く。 花と言っても花弁は無く、緑色の萼片が4枚、赤く先が細裂した雌しべが2本、だらんと垂れた雄しべが4本ある。 雌しべの色はピンク~赤色。 葉は楕円形で縁に鋸歯があり向かい合って多数つく(羽状複葉)。 株元はロゼット状に広がる。
花後に種ができて増えていく。
サラダバーネットは柔らかい葉をハーブとして食用にする。キュウリのような香りがある。葉をそのまま生食できるし、日本の大葉のように刻んで料理に加えることもある。
バーネットはワレモコウの英語名。
多年草。
葉など -
ナガボノアカワレモコウ
学名: Sanguisorba tenuifolia Fisch. ex Link
分類: バラ科 ワレモコウ属
原産: 東北アジア モンゴル 中国 朝鮮半島 日本など
花期: 夏から秋よく枝分かれして茎先に赤い穂状の花が咲く。 花にみえるのは萼で、花弁はない。 穂は垂れ下がる。 葉は奇数羽状複葉で、小葉は長楕円形で縁は鋸歯。 草丈は1~1.5mほど。
湿原などに自生するが水路のそばなどでもみかける。
葉など -
ナガボノシロワレモコウ
学名: Sanguisorba tenuifolia var. alba
分類: バラ科 ワレモコウ属
原産: 東北アジア モンゴル 中国 朝鮮半島 日本など
花期: 夏から秋よく枝分かれして茎先に白い穂状の花が咲く。 花にみえるのは萼で、花弁はない。 穂は垂れ下がる。 葉は奇数羽状複葉で、小葉は長楕円形で縁は鋸歯。 草丈は1~1.5mほど。
花色が赤茶色の種もある。
湿原などに自生するが水路のそばなどでもみかける。
葉など -
ワレモコウ
学名: Sanguisorba officinalis L.
分類: バラ科 ワレモコウ属
原産: 日本 中国 朝鮮半島 シベリアなど
花期: 秋茎先に小さな穂状の花序を付ける。花序は赤茶色で、小さな花が集まっている。 よく枝分れして、茎先に咲く。 葉は根出葉は奇数羽状複葉で、小葉は楕円形で縁が鋸歯。 花に近い葉は23枚で小さめ。 草丈は100~120cmほど。
庭やプランターなどに植えられていた。
葉など
植物の分類について
植物の分類についてはDNAなどに基づいた最新の分類:APG IV (Angiosperm Phylogeny Group IV)を使用しています。 また、学名や分類について議論が続いているものについてはBGPlants(研究用植物データベース作成グループ作成: Data-base on the plants kept in the Botanical Garden)の成果であるYListを参考にしています。