ケシ科 Papaveraceae
ケシ科は700種を含む。
エッショルチア亜科 Eschscholzioideae
ハナビシソウ属 Eschscholzia
-
エスコルチア・ケスピトーサ
学名: Eschscholzia caespitosa 'Sundew'
分類: ケシ科 ハナビシソウ属
原産: 北アメリカ西部
花期: 春から初夏花茎を伸ばして茎先に花が咲く。花弁は4枚。葉は根出葉で細く枝分かれする(羽状複葉)。 草丈は20~30cmほど。
ハナビシソウの矮性種で、ミニチュア・カルフォルニアポピーとも呼ばれる。写真はエスコルチア・ミニチュアサンデュの名称で流通している。
-
ハナビシソウ
学名: Eschscholzia californica Cham.
分類: ケシ科 ハナビシソウ属
原産: カリフォルニア州 メキシコ
花期: 初夏花茎を伸ばして枝分かれして茎頂に花が咲く。花弁は4枚でお椀型。 花色はオレンジ色、白色、黄色、ピンクなど。 葉は小さく枝分かれする(羽状複葉)。 草丈は30~60cmほど。
カリフォルニアポピーの名前で流通している。
ケシ亜科 Papaveroideae
エオメコン属 Eomecon
-
シラユキゲシ
学名: Eomecon chionantha Hance
分類: ケシ科 エオメコン属
原産: 中国
花期: 春から初夏花茎を伸ばし枝分かれして数個の4弁の白い花が咲く。 黄色い雄しべが多数ある。 葉はやや丸いフキのようなハート形で縁が波状。 根出葉で葉柄が長い。 草丈は20~30cmほど。
スノーポピーとも呼ばれる。
多年草で冬季は地上部が枯れる。根を広げ増えていく。
庭などに植栽されている。自然には山地などに群生することがある。
クサノオウ属 Chelidonium
-
クサノオウ
学名: Chelidonium majus L. ssp. asiaticum H.Hara
分類: ケシ科 クサノオウ属
原産: ユーラシア
花期: 初夏茎先に黄色い4弁の花が数個咲く。蕾には産毛がある。 葉は切れ込みがある。 草丈は30cmほど。
葉をちぎると黄色い葉腋がでる。 古くは民間の薬草として用いられていたが、毒性があるので薬として利用しない方がよい。
道端に生えている。
ケシ属 Papaver
-
アイスランドポピー
学名: Papaver nudicaule L.
分類: ケシ科 ケシ属
原産: 極地に近いヨーロッパ~アジア~北アメリカ
花期: 初夏花茎を伸ばし先に花が咲く。 花弁は4枚で、雄しべが多数ある。 花色は黄色、白色、赤色など。 茎葉はなく、根出葉は羽状複葉。 草丈は30~50cmほど。
和名はシベリアヒナゲシ。
宿根草ですが、一般的に夏に枯れるので1年草として扱う。
-
シャーレーポピー
学名: Papaver rhoeas 'Shirley'
分類: ケシ科 ケシ属
原産: 地中海東側
花期: 初夏花茎を伸ばし先に花が咲く。また茎と葉の付け根(葉腋)からも枝分かれする。 花弁は4~5枚で、雄しべが多数ある。雄しべが黒いものと、黄色いものがある。 花色は赤色が基本色で、ピンクや白色などもある。 葉には深い切れ込みがある。 根出葉は羽状複葉。 草丈は30~50cmほど。
シャーレーポピーは枝分かれするのと、全草に毛が生えているのが特長。
一年草。
-
オニゲシ
学名: Papaver orientale L.
分類: ケシ科 ケシ属
原産: コーカサス(黒海とカスピ海の間) トルコ北東部 イラン北部
花期: 初夏花茎を伸ばし先に10~20cmほどの花が咲く。花弁は4枚。 茎葉は無く、根出葉は大きいと1mほどもあり羽状に深い切れ込みがある。 全体に長い毛が生えている。 草丈は1~1.5mほど。
原種はオレンジ色で、園芸種に白色、ピンクなどある。
オリエンタルポピーとも呼ばれる。
花後に結実すると夏は休眠に入るが、暖地だと枯れてしまうことが多いので、秋播きの1年草として扱うこともある。
多年草。
-
ナガミヒナゲシ
学名: Papaver dubium L.
分類: ケシ科 ケシ属
原産: 地中海沿岸から中欧
花期: 春から初夏オレンジ色の薄い紙のような花弁が咲く。草丈は15~40cm。
道端に生えている。
サンギナリア属 Sanguinaria
-
カナダケシ
学名: Sanguinaria canadensis L.
分類: ケシ科 サンギナリア属
原産: 北米東部
花期: 春茎を伸ばして葉を1枚だし、葉に包まれるように白い花が咲く。花弁は8~12枚ほど。花の大きさは5cmほど。黄色い雄しべがある。 葉は丸型で5~9個の切れ込みがある。葉はやや肉厚でやわらかく、表面が白くみえる。 草丈は10~20cmほど。
春に花が咲き、夏には葉が枯れて休眠する。
園芸種で八重咲もある。写真は二重咲き。
属名からサンギナリアとも呼ばれる。
自然には山地に自生している。山野草として販売されている。
タケニグサ属 Macleaya
ツノゲシ属 Glaucium
-
ツノゲシ
学名: Glaucium flavum Crantz
分類: ケシ科 ツノゲシ属
原産: 地中海周辺
花期: 夏茎を伸ばして先に花が咲く。花弁は4枚。花柱が長く先に雌しべがあって、花柱の周りに雄しべがある。 花色は黄色やオレンジ色など。 葉や茎は銀白色で、花に近い葉は茎を抱いて縁が角々している。 根出葉はロゼットを形成する。 茎の下の方の葉は長く深い切れ込みがある。 草丈は40~100cmほど。
実には粗毛があり角状で、これがツノゲシ角芥子の名前の由来。
葉や茎などにはアルカロイドを含み有毒。
越年草。
ハンネマニア属 Hunnemannia
-
ハンネマニア
学名: Hunnemannia fumariifolia Sweet
分類: ケシ科 ハンネマニア属
原産: メキシコ
花期: 夏茎を伸ばして先に花が咲く。花弁は4枚。 花色は黄色。 葉や茎は銀白色で、葉には大きな切れ込みがいくつもある。 草丈は30~50cmほど。
宿根草ですが、高山植物であり高温多湿に弱く、日本では一年草として扱われる。
ヤマブキソウ属 Hylomecon
-
ヤマブキソウ
学名: Hylomecon japonica (Thunb.) Prantl et Kundig
Syn. Hylomecon vernalis Maxim.
Syn. Chelidonium japonicum Thunb.
分類: ケシ科 ヤマブキソウ属
原産: 中国 朝鮮半島 ロシア東部 日本
花期: 初夏茎を伸ばして茎と葉の付け根(葉腋)に花が咲く。花は1~2つ。花弁は4枚。雄しべが多い。 葉は奇数羽状複葉。根出葉の小葉は1~7枚。茎葉の小葉は1~5枚で3枚が多い。 葉は卵形で縁が鋸歯で切れ込みが入ることもある。 草丈は20~40cmほど。
多年草。
ケマンソウ亜科 Fumarioideae
ケマンソウ科 Fumariaceaeでしたが、ケシ科に移動しました。
オサバグサ属 Pteridophyllum
-
オサバグサ
学名: Pteridophyllum racemosum Siebold et Zucc.
分類: ケシ科 オサバグサ属
原産: 日本固有種
花期: 初夏花茎を伸ばして多数の花が咲く(総状花序)。 花弁は4枚で白色でやや厚みのある印象。 葉は根出葉で10~20cmほどで、細く、深い切れ込みがあってシダの様。 草丈は15~25cmほど。
自然には山地の林床に自生している。山野草として販売されて庭に植栽されていることもある。
多年草。
キケマン属 Corydalis
-
ミヤマキケマン
学名: Corydalis pallida (Thunb.) Pers. var. tenuis Yatabe
分類: ケシ科 キケマン属
原産: 日本
花期: 春茎先に数個の花が咲く(総状花序)。 花は細長く15~25mmほど、2枚の花弁が上下に重なっており、花先が唇状になり、花弁は黄色く、先が茶色い。 上側の花弁には後ろに長く突き出た距がある。 葉は2~3回の3出複葉で鋸歯。 花が咲き始める頃の葉は十分に開いておらずU字またはV字状に折りたたまれている。 草丈は20~50cmほど。
初夏に莢のような実ができ数珠状にくびれる。
自然には山地に自生しているが、山野草として販売され庭に植生されていることがある。越年草。
近畿地方以西に分布するフウロケマンの変種。
-
エゾエンゴサク
学名: Corydalis fumariifolia Maxim. subsp. azurea Liden et Zetterlund
Syn. Corydalis ambigua auct. non Cham. et Schltdl.
分類: ケシ科 キケマン属
原産: 日本 中国
花期: 春茎先に数個の花が咲く(総状花序)。 花は細長く15~25mmほど、2枚の花弁が上下に重なっており、花先が唇状になる。 花色は白色、水色、青色など。 上側の花弁には後ろに長く突き出た距がある。 苞葉は切れ込みが無い。 葉は基本的には3枚複葉で、小葉は丸いが、切れ込みがあったり、細かったりと変異が大きい。 草丈は10~30cmほど。
自然には山地に自生しているが、山野草として販売され庭に植生されていることがある。
-
ムラサキケマン
学名: Corydalis incisa (Thunb.) Pers.
分類: ケシ科 キケマン属
原産: 日本 中国
花期: 春花茎を30~50cmほど伸ばして茎の周囲に筒状の短い紫色の花が咲く。葉はニンジンに似ている。 日陰を好む。
家や公園の北側、日陰にいる。越年草。
-
ヤマエンゴサク
学名: Corydalis lineariloba Siebold et Zucc.
分類: ケシ科 キケマン属
原産: 日本 中国
花期: 春茎先に数個の花が咲く(総状花序)。 花は細長く15~25mmほど、2枚の花弁が上下に重なっており、花先が唇状になる。 花色は白色、水色、青色など。 上側の花弁には後ろに長く突き出た距がある。 花の下にある苞葉に切れ込みがある。 葉は基本的には3枚複葉で、小葉は楕円形だが、細い葉もある。 草丈は10~30cmほど。
自然には山地に自生しているが、山野草として販売され庭に植生されていることがある。
ケマンソウ属 Lamprocapnos
コマクサ属 Dicentraでしたが独立しました。
-
ケマンソウ
学名: Lamprocapnos spectabilis (L.) Fukuhara
Syn. Dicentra spectabilis (L.) Lem.
分類: ケシ科 ケマンソウ属
原産: シベリア 中国北部 朝鮮半島 日本
花期: 初夏外側の花弁はピンクで内側の花弁は白色の花が咲く。花が閉じた姿はハート形。総状花序で花茎に10~15の花がつく。その姿からタイツリソウとも呼ばれる。 葉には深い切れ込みがある。草丈は30~60cmほど。秋に地上部が枯れて休眠する。
コマクサ属 Dicentra
-
コマクサ
学名: Dicentra peregrina (Rudolph) Makino
分類: ケシ科 コマクサ属
原産: ロシア東部 日本
花期: 夏花茎を伸ばして下向きに数個の花が咲く(総状花序)。 花弁は細めのケマンソウに似ている。 花色はピンク、白色など。 葉は根出葉で細かく切れ込みが入る。 草丈は5~15cmほど。
高山植物で、山野草として販売され植えている人もいる。平地では初夏に花が咲く。
自生地が減少しており地域によってはレッドリスト指定されている。
-
ハナケマンソウ
学名: Dicentra formosa (Haw.) Walp.
分類: ケシ科 コマクサ属
原産: 北アメリカ 太平洋岸
花期: 初夏花茎を30~50cmほど伸ばし茎先がたわみ、下から順に花が咲く(総状花序)。 花弁は4枚あるがぴったりと重なり錨状になる。 花色は赤紫色、ピンク、白色など。 葉は根出葉で2回3出複葉で、羽状に裂ける。
アメリカコマクサとも呼ばれる。
植物の分類について
植物の分類についてはDNAなどに基づいた最新の分類:APG IV (Angiosperm Phylogeny Group IV)を使用しています。 また、学名や分類について議論が続いているものについてはBGPlants(研究用植物データベース作成グループ作成: Data-base on the plants kept in the Botanical Garden)の成果であるYListを参考にしています。