アヤメ科 Iridaceae
アヤメ科は2,000種を含む。
アヤメ亜科 Iridoideae
アヤメ属 Iris
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アイリス・クリスタータ
学名: Iris cristata Ait.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: 北アメリカ
花期: 初夏アヤメの矮性種。花は下に垂れた外花被片、上向きの内花被片があって、外花被片に重なるように花弁にみえる花柱がある。 外花被片には毛が生えている。 葉は線形で薄く根元で重なっている。 草丈は10~20cmほど。
ミニアヤメは(株)ワイズプランツの商標です。
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アイリス・ダンフォルディア
学名: Iris danfordiae (Baker) Boiss.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: トルコ
花期: 早春短い花茎を伸ばし花が3つほど咲く。花弁には茶色の斑点がある。草丈は10~15cmほど。
ミニアイリスの名称で販売されている。I. reticulata, I.histrioidesなどの総称や交雑種を指す。
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アイリス・レティキュラータ
学名: Iris reticulata M.Bieb.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: コーカサス(ロシア南部、ジョージア)、イラク北部
花期: 早春短い花茎を伸ばし花が3つほど咲く。花弁には黄色の模様がある。草丈は10~15cmほど。
花後に葉が伸び、25~30cmほどで4陵がある。
ミニアイリスの名称で販売されている。
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アヤメ
学名: Iris sanguinea Hornem.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: 日本
花期: 初夏花茎を伸ばし花弁が垂れるように咲く。内花被片の基部は網目状になっている。 草丈は30~50cmほど。
草丈が20~30cmほどの矮性種としてサンズンアヤメ(三寸文目)やチャボアヤメと呼ばれる園芸種もある。
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カキツバタ
学名: Iris laevigata Fisch.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: 日本
花期: 初夏花茎を伸ばし花弁が垂れるように咲く。内花被片の基部中央に白線がある。 草丈は30~50cmほど。
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キショウブ
学名: Iris pseudacorus L.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: ヨーロッパ
花期: 初夏花茎を伸ばし花弁が垂れるように咲く。花色は黄色で、花弁の付け根に赤い筋が数本ある。 花は一本の茎に数個咲き、上から順に咲いていく。 葉は細く線形で、草丈は1~1.3mほど。
本種は外来生物法の生態系被害防止外来種(旧称:要注意外来生物)に指定されている。
生態系被害防止外来種リスト (環境省) -
シャガ
学名: Iris japonica Thunb.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: 中国
花期: 春から初夏花茎を伸ばし白い花が咲く。花弁には淡紫色や黄色の模様がある。また花びらの縁にしわがある。
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ダッチアイリス
学名: Iris x hollandica Hort. ex Todd.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: ヨーロッパ
花期: 夏花茎に沿って段々に花が咲く。下向きにやや垂れ下がる部分と、基部に重なる2枚の小さな花弁を合わせて内花被片と呼ぶ。 その内花被片は3組あり、間に上向きに付く花弁を外花被片と呼ぶ。 葉は線形で上向きに丸くカーブして切れ目のある筒状にもみえる。 草丈は40~100cmほど。
オランダで作出された園芸種で、オランダアヤメとも呼ばれる。また球根植物なので球根アヤメとも呼ばれる。
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ドイツアヤメ
学名: Iris x germanica L.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: ヨーロッパ
花期: 夏花茎に沿って10cmほどの大きな花が咲く。下向きに大きく垂れ下がる部分と、基部に重なるように2枚の小さな花弁を合わせて内花被片と呼ぶ。 その内花被片は3組あり、間に上向きに付く花弁を外花被片と呼ぶ。 内花被片の基部には黄色い毛が生えている。 葉は線形で折り重なるようについている。 草丈は100~120cmほど。
ドイツやフランスで作出された園芸種で、ジャーマンアイリスと呼ばれる。
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ハナショウブ
学名: Iris ensata var. ensata
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: 日本
花期: 夏花茎に沿って10cmほどの大きな花が咲く。下向きに大きく垂れ下がる部分と、基部に重なるように2枚の小さな花弁を合わせて内花被片と呼ぶ。 その内花被片は3組あり、間に上向きに付く花弁を外花被片と呼ぶ。 内花被片の基部には黄色い柄がある。 葉は線形で折り重なるようについている。 草丈は100~120cmほど。
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ヒオウギ
学名: Iris domestica Goldblatt & Mabb.
Syn. Belamcanda chinensis (L.) DC.
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: 中国 日本
花期: 夏花茎を伸ばし枝分かれして花が咲く。花弁はオレンジ色で6枚、斑点がある。 葉は針形で下から順に内側に重なるように伸びていく。 その姿が扇にみえる。 草丈は60~120cmほど。
花後、黒い粒が集まったような実ができる。
多年草。
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ヒメシャガ
学名: Iris gracilipes A.Gray
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: 中国
花期: 春から初夏花茎を伸ばし薄紫色の花が数個咲く。外花被片には筋があり中央が黄色。 花径は2~4cmほど。 葉は針形で細長い。 草丈は20~30cmほど。
シャガに似ているが花が小さく草丈も低い。
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ルイジアナアイリス
学名: Iris x nelsonii Randolph
分類: アヤメ科 アヤメ属
原産: 合衆国
花期: 夏花茎を伸ばし数個の花が咲く。ルイジアナアイリスはミシシッピ川流域に自生していた数種を交配して作出された園芸種の総称。 花色は白色、紫色系、茶色など。花はやや平開し、外花被片は斜めが多い。内花被片の上側は山形がややハッキリしている。花弁にフリルがつくものなど多数あり、ハナショウブと見分けのつかないものもある。
I. louisianaと記述されることもある。
ニワゼキショウ属 Sisyrinchium
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シシリンチウム
学名: Sisyrinchium spp.
分類: アヤメ科 ニワゼキショウ属
原産: 北アメリカ
花期: 初夏茎頂に青い花が咲く。花弁は6枚で、濃い青紫色のストライプが数本はいる。花の基部が黄色。 草丈は10~15cmほど。
園芸種。
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ニワゼキショウ
学名: Sisyrinchium rosulatum E.P.Bicknell
Syn. Sisyrinchium atlanticum auct. non E.P.Bicknell
分類: アヤメ科 ニワゼキショウ属
原産: 北アメリカ
花期: 初夏花茎を伸ばし枝分かれして、茎頂に数個の花が咲く。花は10~15mmほど。花の基部が黄色い。草丈は10~30cmほど。 花色は紫色と白色。
丸い小さな玉のような実が成る。
モラエア属 Moraea
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ホメリア
学名: Moraea collina Thunb.
Syn. Homeria collina
分類: アヤメ科 モラエア属
原産: 南アフリカ
花期: 春から初夏茎に沿って数個の花が咲く。花弁は6枚。花色は黄色、サーモンピンク、オレンジ色など。葉は根出葉で線形。草丈は30~50cmほど。
以前 ホメリア属 Homeriaだったため、その名前で流通している。
球茎植物。
サフラン亜科 Crocoideae
イキシア亜科 Ixioideaeとサフラン亜科 Crocoideaeは統合されました。
グラジオラス属 Gladiolus
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アシダンセラ
学名: Gladiolus murielae Kelway
Syn. Gladiolus callianthus Marais
Syn. Acidanthera bicolor
分類: アヤメ科 グラジオラス属
原産: エチオピア マラウィ
花期: 夏花茎を伸ばして下から上に順に花が咲く。花はややうつむきかげんに咲く。花弁は6枚で山折りの筋があり、基部が紫色。 葯が長く尖っている。 芳香がある。 葉は薄い線形で重なりあっている。 草丈は60~90cmほど。
本種は以前アシダンセラ属 Acidanthraだったため、属名の英語読みでアシダンセラや、アキダンセラ、アシダンテラなどの名前で流通している。
球根植物。寒さに弱いので秋に葉が枯れたら掘り起こして保管しておくとよい。
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グラジオラス
学名: Gladiolus
分類: アヤメ科 グラジオラス属
原産: 地中海沿岸
花期: 夏花茎を伸ばし苞が互生して下から順に咲く。園芸種。
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グラジオラス・ビザンチヌス
学名: Gladiolus communis subsp. byzantinus (Mill.) A. P. Ham.
分類: アヤメ科 グラジオラス属
原産: 地中海沿岸
花期: 夏花茎を伸ばし苞が互生して下から順に横向きに咲く。花色は濃いピンクで、花弁に白い筋がある。
クロッカス属 Crocus
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秋咲きクロッカス
学名: Crocus speciosus M.Bieb.
分類: アヤメ科 クロッカス属
原産: トルコ イラン
花期: 秋茎を伸ばして5cmほどの花が咲く。花弁は6枚。花色は淡い紫色。雌しべの先に雄しべが伸びる。 花が咲いている時期には葉は無く。冬から春に葉が伸びて、初夏には休眠する。
草丈は10~15cmほど。
イヌサフランにも似るが、一本だけのびる花茎や蕊の形状が異なる。
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クロッカス
学名: Crocus
分類: アヤメ科 クロッカス属
原産: 地中海沿岸
花期: 早春針のように細い葉が土から伸び、6弁の花が咲く。雄しべの先が黄色い。 花色は白色、紫色、黄色など。
園芸種で、白色や紫色系のC. vernusと黄色系のC. chrysanthusなどが元になっている。
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サフラン
学名: Crocus sativus L.
分類: アヤメ科 クロッカス属
原産: 地中海沿岸
花期: 秋6弁の薄紫色の花が咲く。雄しべは赤くて長い。葉は針形で根際から数本まっすぐ伸びる。 草丈は10~20cmほど。
赤い雄しべを採集して乾かしたものが香辛料のサフラン。スペイン料理のパエリアや、スープなどに利用され食材に黄色をつける。
本種は栽培種と考えられておりC. cartwrightianus、C. thomasiiやC. pallasiiを元に作出されたと考えられている。
スパラキシス属 Sparaxis
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スパラキシス
学名: Sparaxis tricolor (Schneev.) Ker Gawl.
分類: アヤメ科 スパラキシス属
原産: 南アフリカ
花期: 春花茎を伸ばし一つか二つの花が咲く。花弁はオレンジ色、黒色、黄色で塗り分けられている。 葉は細長い。
球根植物。
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スパラキシス
学名: Sparaxis grandiflora
分類: アヤメ科 スパラキシス属
原産: 南アフリカ
花期: 春花茎を伸ばし一つか二つの花が咲く。花弁は白と黄色で塗り分けられている。 葉は細長い。
球根植物。
トリトニア属 Tritonia
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トリトニア
学名: Tritonia crocata (L.) Ker Gawl.
分類: アヤメ科 トリトニア属
原産: 南アフリカ
花期: 春細い花茎を伸ばし、下から順に花が咲く。花は左右に首を振るように咲く。葉は細長い。
球根植物。
バビアナ属 Babiana
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バビアナ
学名: Babiana stricta
分類: アヤメ科 バビアナ属
原産: 南アフリカ
花期: 初夏花茎を伸ばし穂状花序の花が咲く。草丈は20~30cm。葉は薄いが筋が凹凸としてハッキリついている。
球根植物。
ヒメトウショウブ属 Crocosmia
クロコスミア属とも呼ばれる。
フリージア属 Freesia
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ヒメヒオウギ
学名: Freesia laxa (Thunb.) Goldblatt & J.C.Manning
Syn. Anomatheca laxa
Syn. Lapeirousia laxa
分類: アヤメ科 フリージア属
原産: アフリカ東南部 ケニアから南アフリカ
花期: 初夏6弁の2~3cmの花が咲く。下側花弁の基部には濃い赤色がつく。草丈は10~20cmほど。 葉は薄く細長い。 花茎も細い。 花茎の先に1つか2つの花が、下から順に8個ほど咲く。
花色は淡紅色や白色。
当初は園芸用に栽培されていたが、こぼれ種で自生し、道端でもみられる。
以前はLapeirousia属やAnomatheca属だったため、アノマテカ・ラクサとも呼ばれる。
球根植物。
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フリージア
学名: Freesia refracta
分類: アヤメ科 フリージア属
原産: 南アフリカ
花期: 春花茎を伸ばし、横または下向きに茎が曲がりその先にラッパ状の6弁の花が数個咲く。葉は薄くて細長い。球根植物。
ヘスペランサ属 Hesperantha
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ヘスペランサ
学名: Hesperantha coccinea (Backh. & Harv.) Goldblatt & J.C.Manning
Syn. Schizostylis coccinea Backh. & Harv.
分類: アヤメ科 ヘスペランサ属
原産: 南アフリカ ジンバブエ
花期: 晩夏から秋茎に沿って下から順に花が咲く(総状花序)。 花弁は6枚。 花色は白色、ピンク、赤色など。 葉は線形で細く長い。 草丈は60cmほど。
ヘスペランサの多くが秋植え春咲きが多く、秋咲きは少ない。 また、イキシアは近縁でよく似ている。
球根植物。
植物の分類について
植物の分類についてはDNAなどに基づいた最新の分類:APG IV (Angiosperm Phylogeny Group IV)を使用しています。 また、学名や分類について議論が続いているものについてはBGPlants(研究用植物データベース作成グループ作成: Data-base on the plants kept in the Botanical Garden)の成果であるYListを参考にしています。