ナデシコ科 Caryophyllaceae
ナデシコ科は2,000種を含む。
アルシナ連 Alsineae
ハコベ属 Stellaria
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コハコベ
学名: Stellaria media (L.) Vill.
分類: ナデシコ科 ハコベ属
原産: ヨーロッパ
花期: 春から夏指先ほどの小さな白い花。茎は茶色。花弁は5枚。1枚の花弁が二股に分かれているので10枚に見える。
春の七草。ハコベラ。
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シコタンハコベ
学名: Stellaria ruscifolia Willd. ex Schltdl.
分類: ナデシコ科 ハコベ属
原産: 東北アジア アラスカ
花期: 夏茎先に2cmほどの白い花が咲く。花弁は5枚で1枚が2つに分かれている。 雄しべが長くて葯が赤い。 葉は卵形で向き合ってつく(対生)。 草丈は10~20cmほどでマット状に広がる。
道端でよく見かけるコハコベに比べて花が大きい。 国内では北海道や長野などの高山に自生する。
ミミナグサ属 Cerastium
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オオバナノミミナグサ
学名: Cerastium fischerianum Ser.
分類: ナデシコ科 ミミナグサ属
原産: ロシア東部 日本 アラスカ カナダ北部
花期: 晩春から初夏茎先や茎と葉の付け根(葉腋)から花茎を伸ばして数個の花が咲く。花は15~25mmほど。花弁は5枚ですが、重なっていて漏斗状にみえる。花弁の先に切れ込みがある。 葉は被針形で向かい合ってつく(対生)。草丈は40~60cm。
多年草。
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オランダミミナグサ
学名: Cerastium glomeratum Thuill.
分類: ナデシコ科 ミミナグサ属
原産: ヨーロッパ
花期: 春草丈は10~50cmほど。三角形にみえる葉の中央に深い筋がある。5弁の花は1cmほどで花茎の先に数個咲く。花弁の先に切れ込みがある。
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シロミミナグサ
学名: Cerastium tomentosum L.
分類: ナデシコ科 ミミナグサ属
原産: ヨーロッパ アルプス地方
花期: 初夏草丈は15~20cmほど。花茎を伸ばして先に数個の花が咲く。花弁は5枚で、切れ目が入っておりややハート形にみえる。 花は15mmほど。 葉は被針形で、表面に産毛が生えているため銀葉にみえる。葉身の中央に折り目がある。
花茎が伸びる前は、地面を覆うように広がっている。
多年草ですが、夏の暑さに弱く、寒冷地以外では枯れてしまうことが多い。 そのため寒冷地では毎年咲くのでグランドカバーとして利用されている。
和名は夏雪草とも呼ばれるが、別種にも同じ名前のものがあり注意が必要。
セラスチウムとも呼ばれるが、属名の英語読みで、同属には100種が属している。
オオツメクサ連 Sperguleae
オオツメクサ属 Spergura
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オオツメクサ
学名: Spergula arvensis L.
分類: ナデシコ科 オオツメクサ属
原産: ヨーロッパ
花期: 夏茎先から花茎を伸ばして数個の花が咲く。花弁は5枚で、萼片も5枚ある。 葉は細く湾曲して上向きにつく。細い葉は輪生しているようにみえるが偽輪生。 草丈は20~50cmほど。
畑などに自生している。
サギナ連 Sagineae
ツメクサ属 Sagina
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サギナ
学名: Sagina subulata (Swartz) C.Presl
分類: ナデシコ科 サギナ属
原産: ヨーロッパ
花期: 夏細い茎が土の上を這うように広がって、小さな5~8mmほどの花が咲く。 花弁は5枚。 葉は細くて短い線形。 見た目が苔にみえる。
アイリッシュモスとも呼ばれる。モスは英語の苔を意味する。
高温多湿に弱く、耐寒性があるので、寒冷地であればグランドカバーにも利用される。
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ツメクサ
学名: Sagina japonica (Sw.) Ohwi
分類: ナデシコ科 ツメクサ属
原産: 東アジア
花期: 初夏小さな4~5mmの5弁の白い花。葉は肉厚で細く先が尖っている。草丈は5~15cmほど。
道端などに自生している。
ナデシコ連 Caryophylleae
カスミソウ属 Gypsophila
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オノエマンテマ
学名: Gypsophila cerastioides D.Don
分類: ナデシコ科 カスミソウ属
原産: ネパール インド北部シッキム州 中国四川省
花期: 春から初夏10~15mmほどの白い花が咲く。花弁には縦に数本の紫色の筋がある。草丈は10~20cmほどでほふくするように広がる。 葉は卵形で中央に強い筋がある。カーペットカスミソウとも呼ばれる。
標高2800~4000mの高地に生育しているため、高温多湿に弱い。逆に低温には強く、冬に低温に当てないと花芽ができない。
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カスミソウ
学名: Gypsophila paniculata L.
分類: ナデシコ科 カスミソウ属
原産: 東ヨーロッパ
花期: 夏指先ほどの小さな白い花。樹高は1~1.5mほど。枝分かれし枝先に咲く。宿根カスミソウとも呼ばれる。
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カスミソウ
学名: Gypsophila elegans Bieb.
分類: ナデシコ科 カスミソウ属
原産: ヨーロッパ アジア
花期: 夏指先ほどの小さな5弁の花が咲く。花弁にはストライプがある。葉も茎も細く倒れるように伸びる。
サボンソウ属 Saponaria
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サボンソウ
学名: Saponaria officinalis L.
分類: ナデシコ科 サボンソウ属
原産: ヨーロッパ 西シベリア
花期: 夏花は茎頂に集まって咲く(集散花序)。花弁は5枚。花色は白色、ピンクなど。 葉は被針形で表面にツヤがあり、向き合ってつく(対生)。 草丈は50~80cmほど。
根茎には薬用成分サポニンを含んでおり、細かく刻み水ともむと泡立つ。 このため石鹸代わりに利用されており英語ではソープワートと呼ばれる。 このため日本ではシャボン草とも呼ばれる。
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ロックソープワート
学名: Saponaria ocymoides L.
分類: ナデシコ科 サボンソウ属
原産: ヨーロッパ
花期: 夏茎先に数個の花が咲く。花は1cmほどで、花色はピンク、花弁は5枚で、雄しべの葯が青色。 萼はチューブ状になっている。 葉は先が尖った卵形で中央に折り目がある。 よく枝分かれしてマット状に広がっていく。 草丈は10~20cmほど。
ツルコザクラの名称で流通しているが、シレネ・カロリニアナも同じ名称で呼ばれている。
多年草。
ナデシコ属 Dianthus
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アメリカナデシコ
学名: Dianthus barbatus L.
分類: ナデシコ科 ナデシコ属
原産: ヨーロッパ南部 アジアの一部
花期: 初夏蕾を包む苞がひげ状に変化しており、花の周りに緑色のひげが伸びている。 茎頂に数個の花が咲き、花で茎頂が覆われるとひげは隠れるようになり、みえにくくなる。 草丈は30~60cm
ヒゲナデシコやビジョナデシコとも呼ばれる。
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カーネーション
学名: Dianthus caryophyllus L.
分類: ナデシコ科 ナデシコ属
原産: 地中海沿岸
花期: 春と秋花弁に浅い切れ込みがあり何枚も重なって咲く。
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カワラナデシコ
学名: Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) F.N.Williams
分類: ナデシコ科 ナデシコ属
原産: 東アジア
花期: 夏花弁に深い切れ込みがある。
ナデシコの名前で流通している。
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ダイアンサス
学名: Dianthus
分類: ナデシコ科 ナデシコ属
原産: ヨーロッパ
花期: 春から秋園芸種。花弁の縁が鋸状の切れ込みがある。
ダイアンサスは属名ですが、カワラナデシコがナデシコの名前で流通しているため区別のために使われる。
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ノハラナデシコ
学名: Dianthus armeria L.
分類: ナデシコ科 ナデシコ属
原産: ヨーロッパ
花期: 夏茎先に数個の花が咲く(散房花序)。上の方で枝分かれもする。花弁は5枚で10~15mmほど。葉は線形で向かい合ってつく(対生)で、茎を抱くようになる。 草丈は50cmほど。
一年草。
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ハマナデシコ
学名: Dianthus japonicus Thunb.
分類: ナデシコ科 ナデシコ属
原産: 日本
花期: 初夏草丈50cmほどで先に花をたくさん咲かせる。葉にはツヤがあり、下向きに湾曲している。
ノミノツヅリ連 Arenarieae
ノミノツヅリ属 Arenaria
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アレナリア・モンタナ
学名: Arenaria montana Sieber ex Steud
分類: ナデシコ科 アレナリア属
原産: ピレネー山からポルトガル
花期: 春から初夏5弁の白い花が咲く。草丈は10~20cmほど。花茎を複数伸ばして茎頂に花が咲く。 葉は短く細身。
常緑多年草ですが、高温多湿に弱く。夏期に枯れてしまう。
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オオヤマフスマ
学名: Arenaria lateriflora L.
Syn. Moehringia lateriflora (L.) Fenzl
分類: ナデシコ科 ノミノツヅリ属
原産: 北半球の温帯
花期: 夏茎先に細い花柄を伸ばして数個の花が咲く。花弁は5枚、雄しべは10本。花は10mmほど。葉は狭卵形で中央に折り目があり、向き合ってつく(対生)。
自然には山などに自生している。
多年草。草丈は10~30cmほど。
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ノミノツヅリ
学名: Arenaria serpyllifolia L.
分類: ナデシコ科 ノミノツヅリ属
原産: ユーラシア大陸
花期: 春から初夏指先ほどの小さな白い花。道端で花茎を5~25cmほど伸ばし、よく枝分かれした先に5弁の5mmほどの花が咲く。
マンテマ連 Sileneae
センノウ属 Lychnis
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アメリカセンノウ
学名: Lychnis chalcedonica L.
分類: ナデシコ科 センノウ属
原産: 中央ユーラシア (ロシア カザフスタン モンゴル)
花期: 夏花は茎頂に集まって咲く(散形花序)。花弁は5枚で細く先が割れている。 葉は被針形で対生する。 草丈は20~40cmほど。
マンテマ属 Silene
シレネ属とも呼ばれる。
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サクラマンテマ
学名: Silene pendula L.
分類: ナデシコ科 マンテマ属
原産: 南ヨーロッパ
花期: 夏茎先に数個の花が咲く。花はサクラソウに似ている。花の基部が膨らんでいる。 葉は対生する。 草丈は20~40cmほど。
庭に植栽されていた。
フクロナデシコやシレネとも呼ばれる。
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シレネ・カロリニアナ
学名: Silene caroliniana Walter
分類: ナデシコ科 マンテマ属
原産: アメリカ合衆国東部
花期: 春茎先や茎と葉の付け根(葉腋)から花茎を伸ばして花が咲く。花弁は5枚でピンク。花弁の基部が白く盛り上がり環状になる。雄しべの葯が取れると白いヒゲが出ているようにみえる。 葉は被針形で、向き合ってつく(対生)。 草丈は10~30cmほどで、広がるように伸びる。
ツルコザクラの名称で流通しているが、ロックソープワートも同じ名称で呼ばれている。
一年草。こぼれ種から翌年も発芽して楽しめる。
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シレネ・ユニフローラ
学名: Silene uniflora Roth
Syn. Silene maritima With.
Syn. Silene vulgaris ssp. maritima (With.) A. Love & D. Love
分類: ナデシコ科 マンテマ属
原産: ヨーロッパ北部や西部の海岸 北アフリカの海岸
花期: 夏茎先に1つの花が咲く。花弁は5枚で、切れ込みがあり、花の基部が樽状に膨らんでいる。 花色は白色やピンクなど。 葉は短くて細く、向き合って付く。 上に伸びる種と、横に広がる種がある。
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スイセンノウ
学名: Silene coronaria (L.) Clairv.
Syn. Lychnis coronaria
分類: ナデシコ科 マンテマ属
原産: 南ヨーロッパ
花期: 夏茎も葉も白い産毛で覆われている。枝分かれして草丈40~60cmになり、茎頂に花が咲く。花色は赤色や白色など。
学名の英語読みでリクニス・コロナリアとも呼ばれる。
常緑多年草ですが、日本では冬季に枯れることが多く一年草扱い。
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マツモトセンノウ
学名: Silene sieboldii (Van Houtte) H.Ohashi et H.Nakai
Syn. Lychnis sieboldii
分類: ナデシコ科 マンテマ属
原産: 中国北部 朝鮮半島 ロシア東北部 日本
花期: 夏茎先や茎と葉の付け根(葉腋)に2出集散花序の花が咲く。花弁は5枚で先が2裂する。花色は朱色。まれに白色。 葉は被針形で向き合ってつく(対生)で茎を抱く。 円筒形の萼、茎、葉に毛が生えている。 草丈は30~90cm。
日本でセンノウと言えば本種を指す。マツモトとは歌舞伎 松本家の家紋(四つ花菱)に似ていることから。
多年草。
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ムシトリナデシコ
学名: Silene armeria L.
分類: ナデシコ科 マンテマ属
原産: ヨーロッパ
花期: 春から秋草丈30cmほど。茎の途中に茶色いところがあって触るとネバネバしている。茎の先に花が咲く。
コマチソウ(小町草)とも呼ばれる。
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リクニス・ビスカリア
学名: Silene viscaria (L.) Jess.
Syn. Lychnis viscaria L.
分類: ナデシコ科 マンテマ属
原産: ヨーロッパ 西アジア
花期: 春から初夏茎先に数個の花が咲く。花弁は5枚でやや反る。 花色はピンクや白色。 葉は短くてやや細く、向かい合ってつく(対生)。 草丈は40~60cmほど。
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リクニス・フロスククリ
学名: Silene flos-cuculi (L.) Greuter & Burdet
Syn. Lychnis flos-cuculi
分類: ナデシコ科 マンテマ属
原産: ヨーロッパ
花期: 春から初夏茎先に数個の花が咲く。花弁は5枚で深い切れ込みがあり1枚が4枚ほどにみえる。 花色はピンクや白色。 葉は短くてやや細く、向かい合ってつく(対生)。 草丈は40~60cmほど。
ムギセンノウ属 Agrostemma
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アグロステンマ
学名: Agrostemma githago L.
分類: ナデシコ科 ムギセンノウ属
原産: 地中海の東側
花期: 初夏ピンクと白のグラデーションの花が咲く。花弁は5弁で、ストライプが数本はいる。 葉は4~6cmほどの長さで細い。 草丈は60~90cm。
ムギセンノウやムギナデシコとも呼ばれる。
植物の分類について
植物の分類についてはDNAなどに基づいた最新の分類:APG IV (Angiosperm Phylogeny Group IV)を使用しています。 また、学名や分類について議論が続いているものについてはBGPlants(研究用植物データベース作成グループ作成: Data-base on the plants kept in the Botanical Garden)の成果であるYListを参考にしています。