おさんぽ花図鑑

ツルボラン科 Asphodelaceae

APG IVで、旧ススキノキ科 Xanthorrhoeaceaeがツルボラン科に異動した。APG IIIでは、ツルボラン科やキスゲ科などをススキノキ科にまとめていた。

YListでは、ワスレグサ科という和名を提唱しています。

キスゲ亜科 Hemerocallidoideae

キキョウラン属 Dianella

ユリ科キスゲ科と異動し、現在はツルボラン科

  • キキョウラン

    キキョウラン

    学名: Dianella ensifolia (L.) DC.
    分類: ツルボラン科 キキョウラン属
    原産: インドネシア マレーシア
    花期: 夏

    花茎を伸ばし、枝分かれして小さな1cmほどの花が咲く。花弁は6枚にみえるが、実は萼(外花被)が3枚と、花弁(内花被)が3枚で構成される。 雄しべの黄色が長い。中央に白く細いのが雌しべ。 葉は薄く線形で、斑入りのものもある。 秋に青い実がなる。

    ダイアネラの名前で流通している。また、葉が美しいので、寄せ植えや花束にアクセントとして使われる。

ワスレグサ属 Hemerocallis

ユリ科 (Liliaceae)でしたが、ツルボラン科に異動した。

  • ゼンテイカ

    ゼンテイカ

    学名: Hemerocallis dumortieri C.Morren var. esculenta (Koidz.) Kitam. ex M.Matsuoka et M.Hotta
    Syn. Hemerocallis esculenta Koidz.
    Syn. Hemerocallis middendorffii Trautv. et C.A.Mey. var. esculenta (Koidz.) Ohwi
    Syn. Hemerocallis sendaica Ohwi
    分類: ツルボラン科 ワスレグサ属
    原産: 東アジア 日本 中国 朝鮮半島など
    花期: 初夏

    ユリに似た6弁の花が散状花序で咲く。花は一日で萎むため英語ではDaylilyと呼ばれる。 一般にはニッコウキスゲの名称で知られているが日光固有の植物ではなく全国に分布している。 多年草。

  • のかんぞう

    ノカンゾウ

    学名: Hemerocallis fulva L. var. disticha (Donn ex Ker Gawl.) M.Hotta
    分類: ツルボラン科 ワスレグサ属
    原産: 中国
    花期: 夏

    少し太めの花茎を60~80cmほど伸ばし、茎頂に数個の花が咲く(散形花序)。 花弁は6枚。 葉は細長い。多年草。

  • ヤブカンゾウ

    ヤブカンゾウ

    学名: Hemerocallis fulva (L.) L.
    分類: ツルボラン科 ワスレグサ属
    原産: 中国
    花期: 夏

    少し太めの花茎を60~80cmほど伸ばし、茎頂に数個の花が咲く(散形花序)。 花は八重咲きで若干縮れているようにみえる。 葉は細長い。 結実しないためランナーを伸ばして株を増やす。

ツルボラン亜科 Asphodeloideae

アロエ属 Aloe

アロエ科 (Aloaceae)でしたが、ツルボラン科に異動した。

  • アロエ・ノビリス

    アロエ・ノビリス

    学名: Aloe x nobilis
    分類: ツルボラン科 アロエ属
    原産: 南アフリカ
    花期: 夏

    多肉植物。肉厚な短い葉をロゼット状に広げる。葉の縁には棘がある。 花茎を50cmほど伸ばし枝分かれして、茎頂に多数の筒状の花が咲く。

    本種は、A. mitriformisA. brevifoliaまたは、A. distansA. brevifoliaが交雑したものと考えられている。

    不夜城の名前で流通している。

  • キダチアロエ

    キダチアロエ

    学名: Aloe arborescens Mill.
    分類: ツルボラン科 アロエ属
    原産: アフリカ南部
    花期: 冬

    多肉植物。葉には縁にトゲがある。花茎を伸ばして筒状の細長い花弁が茎の周りに横向きに咲くので全体は円錐形に見える。

    日本ではよく目にするが、ワシントン条約で輸出入が規制されている。アロエベラ等数種を除いてアロエ属は規制対象。

    ワシントン条約 (経済産業省)
    ワシントン条約付属書:植物界 (PDF)

    付属書Ⅰは絶滅のおそれがある種。付属書Ⅱは取引規制をしないと絶滅のおそれがある種。

エレムルス属 Eremurus

  • エレムルス

    エレムルス

    学名: Eremurus
    分類: ツルボラン科 エレムルス属
    原産: 東ヨーロッパからアジア
    花期: 夏

    花茎を100~120cmほど伸ばして円錐状に花が咲く(円錐花序)。 葉は細長くロゼット状になる。

    色違い

ガステリア属 Gasteria

アロエ科 (Aloaceae)ユリ科 (Liliaceae)と変遷し、現在はツルボラン科

  • ガステリア

    ガステリア

    学名: Gasteria armstrongii Schonland
    または Gasteria nitida var. armstrongii (Schonland) Jaarsv.
    分類: ツルボラン科 ガステリア属
    原産: 南アフリカ ケープ州
    花期: 夏

    多肉植物で、肉厚の葉が本の様に折り重なる。花茎を伸ばし、細い筒状の赤い花が咲く。花先が黄緑色または黄色。

シャグマユリ属 Kniphofia

ユリ科 (Liliaceae)でしたが、現在はツルボラン科

  • トリトマ

    トリトマ

    学名: Kniphofia uvaria L.
    Syn. Tritoma uvaria
    分類: ツルボラン科 シャグマユリ属
    原産: 南アフリカ ケープ州
    花期: 夏

    アロエに似た花が咲く。蕾はオレンジ色で筒状の黄色い花が咲く。 花茎を1~1.5m伸ばし、茎頂に15~20cmほどの花が集まって咲く。 葉は細く地際からたくさん伸びる。

    庭に植えられていた。

    旧属名がトリトマ Tritomaだったのでトリトマの名前で流通しているが、新属名のクニフォフィア Kniphofiaが使用されることもある。 海外ではトーチリリーと呼ばれる。

    多年生。

ハオルチオプシス属 Haworthiopsis

  • ハオルチア

    ハオルチア

    学名: Haworthiopsis fasciata (Willd.) G.D.Rowley
    Syn. Haworthia fasciata (Willd.) Haw.
    分類: ツルボラン科 ハオルチオプシス属
    原産: 南アフリカ ケープ州
    花期: 春から初夏

    肉厚な葉がロゼットを形成し白い筋がある。葉は7~8cmほど。

    日本では十二の巻という名前で流通している。ハオルチア属には多数の種がある。ハオルチア属から一部の種がハオルチオプシス属に異動した。

    細い花茎を伸ばして数個の花が咲く(総状花序)。花は筒状で先が少し開く。実は花弁は無く開くのは萼片。

    多年生。

    花拡大など

ブルビネ属 Bulbine

ユリ科 (Liliaceae)から異動した。

  • ブルビネ・フルテッセンス

    ブルビネ・フルテッセンス

    学名: Bulbine frutescens (L.) Willd.
    分類: ツルボラン科 ブルビネ属
    原産: 南アフリカ
    花期: 初夏から秋

    マツバギクに似た多肉質の細長い葉を持つ。葉は細いネギのようにもみえる。花茎を50~70cm伸ばし穂状花序の花が咲く。

    アロエに近縁なのでハナアロエとも呼ぶ。

    葉の様子

ブルビネラ属 Bulbinella

ユリ科 (Liliaceae)から異動した。

  • ブルビネラ

    ブルビネラ

    学名: Bulbinella nutans (Thunb.) T.Durand & Schinz
    分類: ツルボラン科 ブルビネラ属
    原産: 南アフリカ
    花期: 春

    花茎を50~100cmほど伸ばして円錐状に花が咲く(円錐花序)。 葉は細長く上向きにカーブし、つやがある。

    Bulbine latifoliaはよく似ているが、葉がアロエ状。

植物の分類について

植物の分類についてはDNAなどに基づいた最新の分類:APG IV (Angiosperm Phylogeny Group IV)を使用しています。 また、学名や分類について議論が続いているものについてはBGPlants(研究用植物データベース作成グループ作成: Data-base on the plants kept in the Botanical Garden)の成果であるYListを参考にしています。