おさんぽ花図鑑

ラン科 Orchidaceae

ラン科は1万5千種を含む。

アツモリソウ亜科 Cypripedioideae

アツモリソウ属 Cypripedium

  • アツモリソウ

    アツモリソウ

    学名: Cypripedium x ventricosum
    分類: ラン科 アツモリソウ属
    原産: 中国
    花期: 春から初夏

    花茎を20~30cm伸ばして先に袋状の花と、4枚の白い花弁がつく。 葉は被針形で折り目があって、茎を抱く。 葉は互い違いにつく(互生)。 草丈は30~40cmほど。

    本種は中国産の園芸種で黒龍江クマガイソウの名前で流通している。

    鉢植えされていた。

  • クマガイソウ

    クマガイソウ

    学名: Cypripedium japonicum Thunb.
    分類: ラン科 アツモリソウ属
    原産: 中国 朝鮮半島 日本
    花期: 春から初夏

    花茎を20~30cm伸ばして先に袋状の花と、4枚の薄緑色の花弁がつく。 葉は2枚で強い折り目がついている。

    庭に植栽されていた。絶滅危惧種 II類(VU)に指定されており、採集や販売・譲渡などが規制されている。

    レッドリスト 植物I類(PDF) (環境省)

  • タイワンクマガイソウ

    タイワンクマガイソウ

    学名: Cypripedium formosanum Hayata
    分類: ラン科 アツモリソウ属
    原産: 台湾
    花期: 春から初夏

    花茎を20~30cm伸ばして先に袋状の花と、4枚の白い花弁がつく。 葉は2枚で強い折り目がついており先が尖っている。

    庭に植栽されていた。

    日本に自生するクマガイソウの花弁は薄緑色。

セッコク亜科 Epidendroideae

エビネ属 Calanthea

  • キエビネ

    キエビネ

    学名: Calanthea striata R.Br.
    Syn. Calanthea sieboldii
    分類: ラン科 エビネ属
    原産: 日本
    花期: 春から夏

    花茎を30~40cm伸ばし総状花序の花が咲く。葉は土から伸びあがり、折り目が強くつく。

    山地に自生するものが採取され流通している。

カキラン属 Epipactis

  • カキラン

    カキラン

    学名: Epipactis thunbergii A. Gray
    分類: ラン科 カキラン属
    原産: 中国東北部 ロシア(中国国境周辺) 朝鮮半島 日本
    花期: 夏

    花茎の先に10個ほどの花が総状に咲く。花は2cmほどで小さい。 下の方は茎と葉の付け根(葉腋)に咲く。 花弁が6枚にみえるが、一番外側の3枚が萼片で、上側の2枚が側花弁、下向きに唇弁がある。 唇弁には紫色と黄色の模様がある。 花弁が暗黄橙色で、柿に似ている。 葉は被針形で茎を抱く。 上に行くほど小さくなる。 草丈は30~70cmほど。

    自然には明るい湿ったところを好む。

    多年草。

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キンラン属 Cephalanthera

  • ギンラン

    ギンラン

    学名: Cephalanthera erecta (Thunb.) Blume
    分類: ラン科 キンラン属
    原産: 中国 台湾 朝鮮半島 日本
    花期: 夏

    茎先に数個の花が咲く(総状花序)。 花は10mmほどで、あまり開かない。 萼片が3枚と花弁が3枚有り唇弁に黄色い模様がある。 葉は狭長楕円形で茎を抱き互い違いにつく(互生)。 草丈は10~30cmほど。

    自然には山地に自生するが山野草として販売され庭などに植生されている。

    多年草。

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シュンラン属 Cymbidium

  • シュンラン

    シュンラン

    学名: Cymbidium goeringii (Rchb.f.) Rchb.f.
    分類: ラン科 シュンラン属
    原産: 東アジア
    花期: 春

    薄い鱗片が重なったような茎を伸ばして、その先に1つまたは2つ花が咲く。 左右と上に広がっているのは萼片で緑色。正面に花弁がある。その花弁を上から包むように側花弁がありこれも緑色。 花弁は白色またはクリーム色で下方向に巻き込んでいる。 花弁と側花弁には紫色の模様がある。 葉は根出葉で細いが硬くやや枝垂れるようになる。

    自然には林の中などに自生する。山野草として販売され庭などに植栽されていることもある。

  • シンビジウム

    シンビジウム

    学名: Cymbidium sp.
    分類: ラン科 シュンラン属
    原産: 東南アジア
    花期: 初夏

    花茎を伸ばして10~20個の花が咲く。葉は細長い。地植えされ、鉢に植えられることが多い。

シラン属 Bletilla

  • シラン

    シラン

    学名: Bletilla striata (Thunb.) Rchb.f.
    分類: ラン科 シラン属
    原産: 東アジア
    花期: 初夏

    花茎を伸ばして紫色の花が咲く。葉にはクッキリとプリーツがある。

    色違いなど

  • シロバナシラン

    シロバナシラン

    学名: Bletilla striata (Thunb.) Rchb.f. f. gebina (Lindl.) Ohwi
    分類: ラン科 シラン属
    原産: 東アジア
    花期: 初夏

    花茎を伸ばして白色の花が咲く。葉にはクッキリとプリーツがある。

    紫色を基本種とする亜種。

セッコク属 Dendrobium

  • デンドロビウム・キンギアナム

    デンドロビウム・キンギアナム

    学名: Dendrobium kingianum
    分類: ラン科 セッコク属
    原産: オーストラリア東部
    花期: 春から初夏

    竹のような茎を伸ばし肉厚で長い葉を数枚つける。茎頂から花茎を伸ばして数個の花が咲く。

    色違いなど

ヒスイラン属 Vanda

  • フウラン

    フウラン

    学名: Vanda falcata Beer
    Syn. Neofinetia falcata
    分類: ラン科 ヒスイラン属
    原産: 中国 朝鮮半島 日本
    花期: 初夏

    花茎を伸ばして枝分かれするように子房が長く伸びてその先に花が咲く。 花は細い5弁がやや反り返る。また唇弁は先が3裂する。 花の後ろから長い距が伸びて手前に向く。 葉は幅が狭い線形ですが厚みがある。 草丈は10~25cmほど。

    鉢植えにされ水苔などに包んで育てる。

    江戸時代からある古典園芸植物の元になったもので園芸種はフウキランと呼ばれる。

    着生植物。

プレイオネ属 Pleione

  • プレイオネ

    プレイオネ

    学名: Pleione formosana Hayata
    分類: ラン科 プレイオネ属
    原産: 台湾 中国南部
    花期: 春

    丸い偽鱗茎(球根状のもの)から短い茎を伸ばして、茎と葉の付け根から花茎が伸びてその先に花が咲く。 花は薄紫色の細い花弁が5枚と、筒状の白い花弁が1枚。 葉は8~10cmほどで折り目がハッキリとつく。

    タイリントキソウとも呼ばれる。

    直植えまたは鉢植えされている。

  • プレイオネ

    プレイオネ

    学名: Pleione maculata (Lindl.) Lindl. & Paxton
    分類: ラン科 プレイオネ属
    原産: ヒマラヤ 中国雲南省
    花期: 春

    丸い偽鱗茎(球根状のもの)から短い茎を伸ばして、茎と葉の付け根から花茎が伸びてその先に花が咲く。 花は白色の細い花弁が5枚と、筒状の白い花弁が1枚で黄色い模様がある。 葉は8~10cmほどで折り目がハッキリとつく。

    直植えまたは鉢植えされている。

チドリソウ亜科 Orchidoideae

サギソウ属 Pecteilis

  • サギソウ

    サギソウ

    学名: Pecteilis radiata (Thunb.) Raf.
    Syn. Habenaria radiata (Thunb.) Spreng.
    分類: ラン科 サギソウ属
    原産: 東北アジア 日本 中国 朝鮮半島 ロシア
    花期: 夏

    花茎を20~50cmほど伸ばし、茎先に1~3個の花が咲く。唇状の花で、上側に2枚、下側は大きく3裂しており、左右の縁が細く切れ込んでいる。 中央に雄しべがあり、小さな穴が開いていて、蜜が入ったホース状の3~4cmほどの距につながっている。 花は芳香があり、夜は香りが強くなる。 葉は根際の根出葉は、互い違い(互生)に数枚付き、花の近くの葉は小さい。

    自然には湿地を好むため、湿地が減っている事に加えて、心無い人による採集などにより、環境省のレッドリストの準絶滅危惧種(NT)に指定されている。 世田谷区の花にも指定されているが、世田谷区では自然状態では絶滅している。

    レッドリスト 植物I類(PDF) (環境省)

    鉢植えで販売されることがある。

    多年草。地下茎で広がる。

ツレサギソウ属 Platanthera

  • ツレサギソウ

    ツレサギソウ

    学名: Platanthera japonica (Thunb.) Lindl.
    分類: ラン科 ツレサギソウ属
    原産: 中国 朝鮮半島 日本
    花期: 夏

    花茎を伸ばして、白い花が多数咲く。花弁は4枚あり、正面からみると十字に見える。 下向きにやや長い花弁は唇弁と呼ばれる。 また後ろに弧を描くように下向きに長い距がある。 葉は花に近い方は広線形で、下の方は狭長楕円形で、互い違いにつく(互生)。 草丈は40~60cmほど。

    自然には山に自生するが、山野草として販売され庭に植生されていることもある。

    多年草。

テガタチドリ属 Gymnadenia

  • ノビネチドリ

    ノビネチドリ

    学名: Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudo
    Syn. Platanthera camtschatica (Cham.) Makino
    Syn. Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski
    分類: ラン科 テガタチドリ属
    原産: 朝鮮半島 日本 ロシアのサハリンやカムチャッカ半島
    花期: 夏

    太い花茎を伸ばして小さい花を穂状に多数つける。 葉は卵形ですじがあり、縁が波状に縮れる。 また葉の付け根は茎を抱く。 草丈30~60cmほど。

    多年草。

ネジバナ属 Spiranthes

  • ネジバナ

    ネジバナ

    学名: Spiranthes sinensis var. amoena
    分類: ラン科 ネジバナ属
    原産: 東アジア 東南アジア オセアニア
    花期: 夏

    花茎を10~30cmほど伸ばし、スパイラル状に小さなピンクの花を咲かせる。 葉は線形で下の方はロゼット状で、茎には短くピタリと合着するかのように互い違いにつく(互生)。

    庭や公園などで生えている。

ハクサンチドリ属 Dactylorhiza

  • ハクサンチドリ

    ハクサンチドリ

    学名: Dactylorhiza aristata (Fisch. ex Lindl.) Soo
    Syn. Orchis aristata Fisch. ex Lindl.
    分類: ラン科 ハクサンチドリ属
    原産: 中国東北部 朝鮮半島 日本 ロシア アラスカ
    花期: 夏

    太い花茎を伸ばして小さい花を多数つける。 花は茎と葉の付け根(葉腋)に咲く。 花は萼と花弁から構成されている。 上側に小鳥の細いくちばしにみえるのは背萼片で、その両側に羽を広げたようにみえるのが側萼片。 背萼片の下に重なっているのが、側花弁で雌しべを包んでいる。 下に突き出ているのが唇弁。 後ろに伸びる距は太め。 葉は卵形で茎を抱く。 草丈は10~40cmほど。

    自然には亜高山から高山に自生している。山野草として販売され鉢植えなどされている。 寒冷地を好む。

    多年草。

ヒナラン属 Amitostigma

  • イワチドリ

    イワチドリ

    学名: Amitostigma keiskei (Finet) Schltr.
    分類: ラン科 ヒナラン属
    原産: 日本固有種 中部地方以西
    花期: 初夏

    細い花茎を伸ばし数個の花が咲く。上側の花弁は小さく、下向きの花弁は大きくて人が手足を広げた姿のような切れ込みがある。 葉は根出葉で1~2枚5~7cmほど。 草丈は10~15cmほど。

    自然には山地の岩の間などに自生する。小型のランとして園芸種もある。

    絶滅危惧IB類 (環境省)

  • コアニチドリ

    コアニチドリ

    学名: Amitostigma kinoshitae (Makino) Schltr.
    分類: ラン科 ヒナラン属
    原産: 日本 千島列島
    花期: 夏

    細い花茎を伸ばし数個の花が咲く。上側の花弁は小さく、下向きの花弁は大きくて人が手足を広げた姿のような切れ込みがある。 葉は茎の途中に1~2枚つき線形。 草丈は20cmほど。

    自然には山地の湿原や岩に着生するなど自生する。小型のランとして園芸種もある。

    園芸種など

    絶滅危惧II類 (環境省)

植物の分類について

植物の分類についてはDNAなどに基づいた最新の分類:APG IV (Angiosperm Phylogeny Group IV)を使用しています。 また、学名や分類について議論が続いているものについてはBGPlants(研究用植物データベース作成グループ作成: Data-base on the plants kept in the Botanical Garden)の成果であるYListを参考にしています。