おさんぽ花図鑑

ムラサキ科 Boraginaceae

ムラサキ科は2,000種を含む。

APG IIIでは統合されましたが、APG IVでは、キダチルリソウ科 Heliotropiaceaeハゼリンソウ科 Hydrophyllaceaeは分離された。 これによりネモフィラは再びハゼリンソウ科に分離された。

オオルリソウ亜科 Cynoglossoideae

イベロデス属 Iberodes

  • オンファロデス・リニフォリア

    オンファロデス・リニフォリア

    学名: Iberodes linifolia L.
    Syn. Omphalodes linifolia
    分類: ムラサキ科 イベロデス属
    原産: ヨーロッパ南西部
    花期: 春から初夏

    茎を伸ばして段々に花が咲く(総状花序)。花柄が長い。花弁は5枚、花弁の中央が盛り上がる。 葉は被針形で向かい合ってつく(対生)。葉も茎もシルバーリーフ。 草丈は30~40cmほど。

    旧属名からオンファロデスで流通している。

    一年草。

オンファロデス属 Omphalodes

  • オンファロデス・カッパドキア

    オンファロデス・カッパドキア

    学名: Omphalodes cappadocica (Willd.) DC.
    分類: ムラサキ科 オンファロデス属
    原産: トルコ
    花期: 春

    茎を伸ばして、茎と葉っぱの付け根(葉腋)から花茎を伸ばして2~3個の花が咲く。花弁は5枚で、真ん中に白い輪があって、白い線もある。 葉は倒被針形で葉脈がハッキリしている。 草丈は25cmほど。

    多年草。

キュウリグサ属 Trigonotis

  • キュウリグサ

    キュウリグサ

    学名: Trigonotis peduncularis (Trevir.) Benth. ex Hemsl.
    分類: ムラサキ科 キュウリグサ属
    原産: 日本 中国
    花期: 春から初夏

    道端で5~15cmほど花茎を伸ばし、枝分かれした先に5mmほどの小さな5弁の青い花が数個咲く。花の中心が黄色い。

    空き地や道端で咲く。

    ノハラムラサキとの違い

ハナイバナ属 Bothriospermum

  • ハナイバナ

    ハナイバナ

    学名: Bothriospermum zeylanicum (J.Jacq.) Druce
    分類: ムラサキ科 ハナイバナ属
    原産: 日本 東南アジア
    花期: 春から初冬

    茎先に花が咲くようにみえるが実際には葉と葉の間に花が咲く。 花は2mmほどで5弁、中央に白い鱗片が環状にある。 葉は卵形で互い違いにつく。 茎にも葉にも上向きの毛がつく。 草丈は5~20cmほどで、長くなると脇芽が伸びる。

    空き地や道端で咲く。

    1~2年草。花期が長いのは、春先にできた実が成長して秋には花を咲かせるため。

    花拡大など

ミヤマムラサキ属 Eritrichium

  • エリトリキウム

    エリトリキウム

    学名: Eritrichium canum (Bentham) Kitam.
    分類: ムラサキ科 ミヤマムラサキ属
    原産: アフガニスタン~中国
    花期: 夏

    茎頂や、枝分かれして先に花が咲く。花弁は5枚。花弁の基部が白く盛り上がり輪のようになる。 葉は線形で茎を抱く。 草丈は20~40cm。

    多年草。

ワスレナグサ属 Myosotis

ワスレナグサ属全般をワスレナグサと総称して流通している。

  • シンワスレナグサ

    シンワスレナグサ

    学名: Myosotis scorpioides L.
    分類: ムラサキ科 ワスレナグサ属
    原産: ヨーロッパ
    花期: 初夏

    花茎を伸ばして下から順に花が咲く(総状花序)。花弁は5枚で基部が黄色。上の方の葉は互い違い(互生)し、長楕円形。 草丈は20~50cmほど。

    販売されるワスレナグサの交配元の一つ。True forget-me-notと呼ばれそれを日本語にしたものが真忘れな草となった。

    キュウリグサとの違い

  • ノハラムラサキ

    ノハラムラサキ

    学名: Myosotis arvensis (L.) Hill
    分類: ムラサキ科 ワスレナグサ属
    原産: ヨーロッパ
    花期: 春から初夏

    花茎を伸ばして先に数個の小さな4~5mmほどの青い花が咲く。花は茎頂や、茎と葉の付け根(葉腋)から花柄を伸ばしてその先に穂状に咲く。 花弁の基部が黄色く白い筋が2~3本ある。 葉は被針形で、互い違いにつく(互生)。草丈は20~50cm。

    キュウリグサとの違い

  • ワスレナグサ

    ワスレナグサ

    学名: Myosotis
    分類: ムラサキ科 ワスレナグサ属
    原産: 日本 東南アジア
    花期: 春から初夏

    花茎を伸ばして先に数個の小さな8~10mmほどの青い花が咲く。花弁の基部近くが黄色いのがある。葉は被針形。草丈は20~50cm。

    一般に流通している種は、ノハラムラサキやエゾムラサキなどを交配した園芸種。

    色違いなど

ムラサキ亜科 Boraginoideae

アルカナ属 Alkanna

  • アルカナ・オリエンタリス

    アルカナ・オリエンタリス

    学名: Alkanna orientalis var. leucantha
    分類: ムラサキ科 アルカナ属
    原産: 地中海東部
    花期: 春から初夏

    茎を伸ばして、茎と葉の付け根(葉腋)に花が咲く。花は10mmほど。茎先に集まって咲いているようにみえる。 花弁は5枚で、花色は黄色または白色。 葉は被針形で、下葉はやや大きくでこぼこがある。 やや倒れぎみに伸びる。 草丈は10~30cmほど。

    ハーブとして利用される。

    花後、萼が閉じるとホウズキに似る。

    下葉の様子

ウシノシタグサ属 Anchusa

アンクサ属とも呼ばれる。

  • アンチューサ

    アンチューサ

    学名: Anchusa leptophylla 'Pala White'
    分類: ムラサキ科 ウシノシタグサ属
    原産: トルコ
    花期: 初夏

    花茎を伸ばし、茎頂及び葉柄の基部に数個の花が咲く。花弁は5弁で、中心に丸い環がある。 草丈は30cmほど。 基本種は青色で、本種は変異種。

    パラホワイトの名前で流通している。

  • アンチューサ・カペンシス

    アンチューサ・カペンシス

    学名: Anchusa capensis Thunb.
    分類: ムラサキ科 ウシノシタグサ属
    原産: ナミビア 南アフリカ
    花期: 初夏

    花茎を伸ばし、茎頂に数個の花が咲く。花弁は5弁で、中心が白い。 葉は三角形。 草丈は30~60cmほど。

  • アンチューサ・ドロップモア

    アンチューサ・ドロップモア

    学名: Anchusa azurea 'Dropmore'
    分類: ムラサキ科 ウシノシタグサ属
    原産: 地中海周辺 ヨーロッパ 西アジア アフリカ北部
    花期: 夏

    青い5弁の花が多数咲く。花の中央が白い。 葉は被針形で10~15cmほどで、互い違いにつく(互生)。 茎と葉の付け根(葉腋)から花茎を伸ばし先にに数個の花が咲く。 草丈は1~1.5mほどにもなる。

セリンセ属 Cerinthe

  • セリンセマヨール

    セリンセマヨール

    学名: Cerinthe major L.
    分類: ムラサキ科 セリンセ属
    原産: イタリア ギリシャ
    花期: 春から初夏

    茎と葉の付け根(葉腋)から花茎を伸ばして数個の花が咲く。花は下向きに咲き、漏斗状。花色は紫色。 葉は被針形で茎を抱き、多肉質。 草丈は30~60cmほど。

    秋まきの春咲き。

    一年草。

ヒレハリソウ属 Symphytum

  • ドワーフコンフリー

    ドワーフコンフリー

    学名: Symphytum grandiflorum DC.
    分類: ムラサキ科 ヒレハリソウ属
    原産: コーカサス
    花期: 初夏

    枝分かれして先が垂れ下がる様に数個の花が咲く。花は釣鐘状で下向きに咲く。花色は白色、基部が青色のもの、クリーム色など。 葉は互い違いに付く(互生)で、卵形。花茎の直下は対生にみえる。 草丈は30~50cmほど。

    園芸種で斑入りの葉もある。

    多年草。

  • ヒレハリソウ

    ヒレハリソウ

    学名: Symphytum officinale L.
    分類: ムラサキ科 ヒレハリソウ属
    原産: ヨーロッパ
    花期: 初夏

    10mmほどの小さな淡紫色の花が数個咲く。花は釣鐘状で浅く5裂していて下向きに咲く。 枝分かれした先に総状花序で咲く。 葉にも茎にも粗毛がある。 葉は20~30cmもあり、地上に近いほど大きい。 対生し、葉柄はなくて茎と葉の一部が合着したようになっている。

    多年草で、1mほどになる。

    英名のコンフリーとも呼ばれる。

    全体写真など

プルモナリア属 Pulmonaria

  • プルモナリア

    プルモナリア

    学名: Pulmonaria longifolia 'Lewis Palmer'
    分類: ムラサキ科 プルモナリア属
    原産: ヨーロッパ
    花期: 春

    茎先に漏斗状の花が咲く。花弁の縁は浅く5裂している。 蕾の時や咲き始めはピンクで、徐々に青色に変わる。 また花色には白色や紫色などもある。 茎葉は卵形で先が尖り、白い斑点のあるものと無いものがある。 茎葉は互い違いにつく(互生)。 草丈は30~40cmほど。

    半日陰を好む。

    常緑多年草。

    多くの園芸種がある。

    色違いなど

ブルンネラ属 Brunnera

  • ブルンネラ・マクロフィラ

    ブルンネラ

    学名: Brunnera macrophylla (Adams) I.M.Johnst.
    分類: ムラサキ科 ブルンネラ属
    原産: コーカサス地方 (ロシア アルメニア ジョージア)
    花期: 春

    小さな3~4mmほどの花が数個咲く(総状花序)。花は茎先や、茎と葉の付け根(葉腋)から細い花茎を伸ばしてその先に咲く。 花弁は4枚で青色、中央が白色。 葉はハート形または被針形で、交互につく(互生)。草丈は30~40cmほど。

    庭などに植生されている。

    多くの園芸種がある。

    色違いなど

ルリジサ属 Borago

  • ルリジサ

    ルリジサ

    学名: Borago officinalis L.
    分類: ムラサキ科 ルリジサ属
    原産: 地中海周辺
    花期: 春から夏

    青い5弁の花が咲く。花弁の基部は白く、黒い雌しべが長い。 花は茎先や茎と葉の付け根(葉腋)から花柄を伸ばしてその先に数個の花が咲く。 葉は卵形で葉柄があり互い違いにつく(互生)。 茎や葉、蕾などに産毛が密生する。 草丈は50~60cmほど。

    ボリジとも呼ばれる。ボリジはBorageと記述する。

    庭に植生されていた。欧州などではハーブとしてサラダなどで食べられる。

    一年草。秋蒔きすると4月~6月に開花し、春蒔きすると6月~8月に開花する。

リソドラ属 Lithodora

  • ミヤマホタルカズラ

    ミヤマホタルカズラ

    学名: Lithodora diffusa (Lag.) D.C.Thomas
    Syn. Lithospermum diffusa
    分類: ムラサキ科 リソドラ属
    原産: 南ヨーロッパ
    花期: 春から初夏

    瑠璃色の星形5弁の小さな花が咲く。葉は肉厚で長さは2~3cmで幅は狭い。葉には短い産毛がある。草丈は15cmほどで横に広がる。

    ホタルカズラの名前で流通している。

    常緑低木。

植物の分類について

植物の分類についてはDNAなどに基づいた最新の分類:APG IV (Angiosperm Phylogeny Group IV)を使用しています。 また、学名や分類について議論が続いているものについてはBGPlants(研究用植物データベース作成グループ作成: Data-base on the plants kept in the Botanical Garden)の成果であるYListを参考にしています。